アーセナルが日本の若きDFの獲得に費やした1700万ポンドは、バーゲン価格だったのだろうか。
移籍金以上の価値をもたらしていると評価されるのは、今夏ボローニャからアーセナルへ移籍した日本代表DF冨安健洋である。
アーセナルは冨安獲得に1700万ポンドを投じており、決して安い金額ではない。しかし、英『Planet Football』は「今夏プレミアで実現したバーゲン補強11人」に冨安の名を含めている。
例えばアーセナルは今夏にブライトンからDFベン・ホワイトを獲得しているが、移籍金は5000万ポンドだった。この金額が妥当なものかは意見が分かれるだろうが、冨安とホワイトの間にそこまで明確な力の差はないだろう。ホワイト獲得に費やした金額から比べると、センターバックとサイドバックの両方を担当できる冨安を1700万ポンドで引き抜けたのはお買い得だったと言える。
冨安はまだ23歳と若く、伸びしろのある選手だ。それこそ来年のワールドカップで活躍できれば、市場価値はさらに上がるかもしれない。アーセナルが今夏のうちに冨安を手中に収めたのは正解だったのではないか。
似た金額では、今夏にクリスタル・パレスがチェルシーから1800万ポンドで引き抜いた21歳のDFマーク・グエーイ、ブレントフォードがセルティックから1350万ポンドで獲得したノルウェー代表DFクリストフェル・アイェル(23歳)もバーゲン補強の11人にリストアップされている。このDF2人も冨安と選出理由は似ており、やはり若いことが大きい。今後さらに成長すると予想されており、ステップアップが期待できるDFたちだ。
他には1300万ポンドの買取オプション付きのレンタルでライプツィヒからウォルバーハンプトンに加わった韓国代表FWファン・ヒチャン、約1500万ポンドでブライトンがヘタフェより獲得した23歳のDFマルク・ククレジャ、エヴァートンがレヴァークーゼンより200万ポンドで獲得したFWデマライ・グレイ。
リヨンから1290万ポンドで獲得し、すでにリーグ戦で5得点を挙げているバーンリーFWマクスウェル・コルネ、チェルシーから500万ポンドの移籍金でサウサンプトンに移籍した19歳のDFティノ・リブラメント、ワトフォードが300万ポンドで獲得したFWエマニュエル・デニス、そしてこれぞバーゲン補強と言うべきエヴァートンがフリーで加えたMFアンドロス・タウンゼント、ワトフォードがフリーで加えたFWジョシュ・キングがこのリストに入っている。
前半戦だけで冨安がアーセナルサポーターを納得させたのは見事で、数年後には1700万ポンドがバーゲン価格だったと誰もが納得することになるかもしれない。すでに現段階で1700万ポンド分の価値は披露したと評価されているようだが、このまま世界レベルのDFになっていけるか。