約90億円の移籍金を得られるのであれば…… バルセロナ行きが噂されるフェラン・トーレスの現状

トーレスは素晴らしい選手であることは間違いないが、高額な移籍金を払う価値があるのはかまだ分からない photo/Getty Images

良くも悪くも発展途上だ

ここ数日で話に挙がることの多い、マンチェスター・シティ所属FWフェラン・トーレスのバルセロナ行き。バルセロナとスペイン代表FWとの間で個人合意がなされたといわれており、残すはクラブ間での交渉となる。シティは完全移籍での放出であれば、移籍を認めており、バルセロナに約90億円の移籍金を求めているようだ。しかし、財政に余裕のないバルセロナはここで交渉がストップしてしまっており、個人合意から話が進んでいない。

決まりそうにないバルセロナ移籍だが、シティはトーレスを失えばどのようなデメリットがあるのか。

まず、チームで最も得点源となりそうな点取り屋を失うことになる。現状は怪我で離脱しているが、それ以前はセンターフォワードで躍動しており、4試合で2ゴール(スペイン代表では6試合で4ゴール)と期待感は見せていた。しかし、怪我をしていなかった時でも不調であるラヒーム・スターリングにポジションを奪われるなど、最優先で起用される人材ではなく、序盤戦最大の山場となったチェルシー、パリ・サンジェルマン、リヴァプールとの3連戦ではスタメンに名を連ねることができていない。指揮官ジョゼップ・グアルディオラの中での評価は分からないが、実力はまだまだということなのだろう。

また、年明けに復帰といわれているトーレスだが、以前のパフォーマンスを見せられるかは定かではない。可能性は感じさせていたが、継続した結果を残す必要がある。残念なタイミングでの負傷となったが、今ここで換金し、来夏の移籍市場でアーリング・ハーランド級のストライカーを狙いに行くのも悪くない選択肢だといえる。前線でいえば、ジャック・グリーリッシュ、フィル・フォーデンが離脱から戻るとされており、更にコール・パルマーやジェイムズ・マカティといった若手も頭角を現している。トーレス移籍となっても、偽9番でやりくりすれば人員不足ではない。

シティでは期待の若手ではあるが、要求する約90億円の移籍金を得られると考えれば、放出の可能性はゼロではない。放出して大きくブレイクするジェイドン・サンチョやブラヒム・ディアスのようなパターンもあるため、慎重に考える必要はあるが、トーレス移籍でシティが受けるデメリットは少ないといえる。

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