ファビーニョ、モラタ、そしてギャン スペシャル・ワンがデビューさせた若手たち

さっそく結果を出したギャン photo/Getty Images

素質を見抜く目はさすが

現在ローマを指揮するジョゼ・モウリーニョは、どこか若手育成には長けていない指揮官とのイメージもある。1つのクラブに長く留まるタイプではないことも影響しているのかもしれない。

しかし、若手の才能を見抜く目はさすがの一言。モウリーニョの下でプロデビューを果たし、その後大きく成長した選手は意外に多いのだ。

例えばレアル・マドリード時代にはFWアルバロ・モラタ(現ユヴェントス)、MFファビーニョ(現リヴァプール)、DFナチョ・フェルナンデスにデビューの機会を与えている。
継続的に出番を得たわけではないが、この目利きも当たりだ。モラタはスペイン代表でプレイするストライカーとなり、ファビーニョも世界的なボールハンターへ成長。ナチョは当時モウリーニョがマルセロを休ませるためにデビューさせた選手だが、今も変わることなくユーティリティDFとしてレアルで活躍を続けている。

チェルシー第2次政権では、当時19歳だったMFルベン・ロフタス・チーク、18歳だったDFアンドレアス・クリステンセン、18歳だったFWドミニク・ソランケをデビューさせた。

このうち現在2部のボーンマスでプレイするソランケは伸び悩んでいるが、残る2人は今もチェルシーでプレイできている。クリステンセンの方はデンマーク代表にも選ばれており、モウリーニョが18歳ながらクリステンセンを国内カップ戦で起用したのはポテンシャルを見抜いていたからだろう。
マンチェスター・ユナイテッドでは、20歳だったMFスコット・マクトミネイをデビューさせた。今やマクトミネイはサポーターからも愛される守備的MFへ成長しており、サイズがあるところもモウリーニョ好みの選手と言える。

トッテナムでは、身体能力の高いDFジェイフェス・タンガンガをデビューさせた。まだトッププレイヤーになるかは分からないが、22歳のタンガンガは大きな可能性を感じさせる選手だ。今季もリーグ戦で出番を得ており、トッテナムの最終ラインを長く引っ張っていく存在になれるか注目されている。

そして最後に、現在指揮するローマから18歳FWフェリックス・アフェナ・ギャンだ。

10月にトップチームデビューの機会をもらったギャンは、今月21日のジェノア戦で途中出場から2得点を記録。チームを勝利へ導く英雄となり、一躍有名な存在となった。

モウリーニョもここまでの働きは予想していなかったかもしれないが、18歳ながらセリエAで戦えるとの確信があったのだろう。ガーナ出身のギャンはモウリーニョの下で同国を代表するアタッカーへと成長していくかもしれない。

こう見るとモウリーニョがデビューさせてきた選手はその後ビッグクラブで活躍している者が多く、やはり素材を見抜く力は素晴らしい。継続して育成するかはまた別の話だが、若手にチャンスを与えない指揮官とのイメージは間違いだろう。


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