24歳のストライカーはセリエAで覚醒へ? モウリーニョの下で磨かれる未完の大器

今季からローマでプレイしているエイブラハム photo/Getty Images

現在はイングランド代表にも復帰

間違いなく素晴らしい才能は備えているものの、チェルシーではその能力を存分に発揮できていなかった。今夏ASローマへと移籍したFWタミー・エイブラハムに関して、そんなことを思っていた人は少なくないだろう。2019-20シーズンに一度ブレイクを果たしたはいいが、そこからの彼にはどこか停滞感が付き纏っていたと言っていい。

しかし、そういった苦しい時期を乗り越えて、新天地でエイブラハムは覚醒するのだろうか。ジョゼ・モウリーニョ監督のもとへと向かった若きストライカーは、永遠の都でトップフォームを取り戻しつつある。

ここまで、移籍以降にローマで決めたゴール数は「5」。公式戦での出場数が17試合ということを考えれば、そこまで多くはない。だが、ローマに来てからのエイブラハムは味方のサポートや守備の部分における動きにも磨きがかかった印象で、1試合1試合のパフォーマンスのクオリティは非常に高いと言っていいだろう。安定した出場機会を得たことで、エイブラハムは本来の力を十分に発揮できるようになっている。
加えて、少し物足りない得点数の部分は不運だった面も否めない。実は同選手、伊『Gazzetta dello Sport』によると、今季は自身の放ったシュートが7回もポストに嫌われているのだという。もちろん、枠内にシュートが飛んでいないというのは事実だが、フィニッシュの形まできちんと持ち込めているのはポジティブと言えるだろう。単にチームプレイに優れているだけでなく、継続して決定的なシュートを放つことができているのは好印象だ。

数字には表れづらいものの、ローマでしっかりと調子を取り戻してきているエイブラハム。現在ではしばらく遠ざかっていたイングランド代表にも復帰しており、先月行われたW杯欧州予選のアンドラ戦ではゴールも記録している。はたして、名将モウリーニョの下で本領発揮の予感がしてきた24歳は今後どれほどの成長を見せていくのだろうか。チェルシーで結果を残せなかった男と侮ることなかれ。数カ月後、エイブラハムはイタリアで覚醒しているかもしれない。

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