マンCは新システム“絶賛研究中”か 黒星もチームに新たなエッセンス

ペップは新しいビルドアップの形を模索しているようだ photo/Getty Images

ビルドアップのやり方は少しリスクが大きいか

EURO2020やコパ・アメリカの影響からベストメンバーを揃えることは難しかったが、レスター・シティとのコミュニティー・シールドに臨んだマンチェスター・シティ。

メンバーにはサミュエル・エドジーとコール・パーマーの若手を先発させ、ケビン・デ・ブライネやフィル・フォーデン、ジョン・ストーンズといった主力はお休みとなった。それでも、前述した若手の起用や昨季終盤から試されているフェラン・トーレスの9番起用と21-22シーズンに向けて指揮官であるジョゼップ・グアルディオラの試みが見えた試合であった。

その中でも特に興味深かったのは後方からの組み立てだ。以前まではセンターバック2人とどちらかのサイドバックが中央に絞り、3名で後方から組み立てを行っていた。しかし、レスター戦では両サイドバックを中央に絞らせる形を見せ、センターバック、両サイドバック、アンカーの5名を中央に絞らせ、狭くスペースを取っていた。そこで空くことになる大外のスペースでウイングやインサイドハーフがボールを受け、[2-3-2-3]のようなビルドアップ時の形を作っていた。

大外で選手がボールを受けた際に中央でマークしていた相手選手が外に気を取られるところが狙いだったと思われる。空いたサイドバックがインナーラップし、好機を演出する場面が見られた。

しかし、ハーフウェイライン付近で前述した5名が密集を作ることが、ボールロスト時のカウンターの受けやすさにつながっており、少々リスクが高いか。密集させた場合、切り替えを速くしプレスを掛ければ取り返せる可能性もあるが、そうまでしてリスクを負う必要があるのかは疑問だ。

それでも、レスター側は下がらず前からプレスを掛けていたが、ユーリ・ティーレマンス、ウィルフレッド・エンディディからなるダブルボランチのどちらか、または両方がつり出されアタッキングサードに大きなスペースが生まれるなど、指揮官の狙いが感じ取れた。

しかし、大外への配球や相手ボランチを引き出す動きにまだまだ改善が必要だと思われるシーンも散見されており、絶賛研究中というところか。

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