デンマーク戦ではドリブル成功数9回を記録 勘を取り戻したスターリングをイタリアは止められるのか

デンマーク戦では切れ味の鋭いドリブルを披露していた photo/Getty Images

彼がキーマンとなりそうだ

EURO2020の準決勝でデンマークを破り、史上初のファイナルに駒を進めたイングランド代表。前評判は良かったもののイマイチ調子が上がらずに戦ってきたが、いつの間にか決勝まで進んでおり、スリーライオンズのポテンシャルの高さがうかがえる。その中でも10番を背負うラヒーム・スターリングの働きには目を見張るものがある。

昨季は所属クラブであるマンチェスター・シティでスタメン落ちを経験するなど、充実したシーズンでは無かったスターリングだが、今大会ではイングランドの攻撃をけん引する選手の一人となっている。得点数はチームトップ4得点のハリー・ケインに譲っているが、スターリングも3得点と良い成績を残しており、デンマークでは物議をかもすことになったが、PK獲得に貢献している。あのドリブルでのボックス内への進入がなければ120分で決着していた可能性は低く、PK戦へと持ち込まれていた可能性が高い。そうなれば、決勝へ進んだのはどちらか分からなかった。

特に今大会でスターリングが復調していると感じる部分は前述したPK獲得に繋がったドリブルにあると言える。本来はスピードを生かしたドリブラーであったスターリングだが、近年はボールを受ける際のファーストタッチを狙われることが多く、所属クラブでは自身の強みであるドリブルを生かす場面が少なかった。そうなれば、他の局面で良さを出す必要があるが、ゴール前での決定力不足が悪目立ちし、批判の的となっていた。

しかし、代表の舞台ではそのような対策も少なく、スピードに乗った状態で相手と対峙出来ており、ドリブル成功に繋がっていると言える。また、デンマーク戦ではジャック・グリーリッシュの投入から右サイドにポジションを移したが、そこでは縦への突破を武器に、違いを生み出していた。データサイト『WhoScored.com』によればデンマーク戦でのドリブル成功数は9回となっており、両チーム通じて断トツで1位の記録を出している。

このようにドリブラーとしての勘が戻ってきたスターリング。決勝のイタリア戦でも彼のドリブルでイタリア守備陣をかき回し、勝利に貢献して欲しい。

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