強烈な左足と抜群のチャンスメイク能力が火を吹くか イングランドが警戒すべき男

イングランド戦でウクライナのキーマンとなるかもしれないマリノフスキー photo/Getty Images

攻撃性能はピカイチ

EURO2020の決勝トーナメント1回戦でドイツ代表に勝利し、悲願の初優勝に向けて勢いに乗るイングランド代表。ここまでの4試合で4得点という攻撃面にこそまだ不安は残るものの、その一方で彼らは守備陣が無失点と奮闘していることでベスト8にまで駒を進めることに成功している。

しかし、準々決勝で対戦するウクライナ代表も曲者だ。決勝トーナメントに進出したチームのうち、唯一グループステージで勝ち点を3ポイントしか稼ぐことのできなかった同代表。ギリギリのGS突破だったことは間違いないものの、ラウンド16ではスペインと同居したグループE首位通過のスウェーデンを破ってベスト8進出を果たしている。侮れない相手であることは間違いない。

では、そんなウクライナ代表のなかでも、スリーライオンズが特に警戒すべき選手は誰か。アンドリー・シェフチェンコ監督によって鍛えられた組織力が売りではあるものの、ひとり注目したいのはMFルスラン・マリノフスキーだ。
今大会ではここまで4試合すべてに出場し、随所でその技術の高さを披露しているマリノフスキー。所属するアタランタでは、2020-21シーズンにセリエA36試合の出場で8ゴール12アシストを記録している。こういった数字からも、彼の攻撃センスの高さは窺い知ることができるだろう。ラウンド16のスウェーデン代表戦ではスタメンを外れることとなったものの、途中出場からチーム最多の3本のシュートを放つなど存在感を発揮。強烈な左足をチラつかせつつ、スウェーデンに圧力をかけ続けた。

そして、今大会におけるマリノフスキーはチャンスメイクのスタッツも優秀だ。データサイト『SofaScore』によると、同選手は今回のEURO2020にて、大会出場選手中トップタイとなるキーパス数(10本)や同2位タイとなるビッグチャンスクリエイト数(4回)を記録している。左足から繰り出すミドルシュートを警戒しすぎれば、いとも簡単にラストパスを供給してくる。相手にとっては非常に厄介な選手だ。

今大会で堅守を武器に戦ってきたイングランド代表だが、準々決勝でマリノフスキーに振り回される可能性は低くない。はたして、EURO2020で暴れている“アタランタ勢”の1人であるレフティーを、スリーライオンズはどう抑え込むのか。これはひとつ大きなポイントとなってくるかもしれない。

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