地上戦での影響力は絶大だが マンUに浮上するワン・ビサカの“配置転換”案

鋭いタックルで攻撃の芽を摘むワン・ビサカだが…… photo/Getty Images

右サイドのタックルモンスターがCBに!?

今やプレミアリーグでも屈指の右サイドバックとして評価を確立した23歳のタックルモンスターだが、彼をさらに活かす方法が存在するのか。マンチェスター・ユナイテッドに所属するイングランド代表DFアーロン・ワン・ビサカに来季コンバートの可能性が浮上している。

プレミアでもトップクラスと言われる守備力を武器に、マンUの右サイドを支えているワン・ビサカ。今季記録したタックル数(88回)やインターセプト数(62回)、地上戦勝率(60.44%)がチームトップの数値を記録したことからも、彼のディフェンス面における貢献度がどれほど偉大だったかは見て取ることができるだろう。

そんなワン・ビサカだが、来季はオーレ・グンナー・スールシャールから少し違う役割を任されることとなるのだろうか。なんと、指揮官はこの守備者を新たなシーズンではセンターバックとしても起用する考えを持っていると英『Daily Mirror』が伝えている。同メディアによると、スールシャール監督はシーズン開幕前に行われるトレーニングマッチの何試合かでワン・ビサカをCBで起用し、適性を見極める方針なのだという。

鋭いタックルを武器に地上戦を支配するワン・ビサカ。だが、その一方では攻撃面での課題を指摘されることもあるだけに、指揮官は彼の長所をより活かすことができるポジションを与えようという考えなのだろうか。今夏マンUはアトレティコ・マドリードに所属するイングランド代表DFキーラン・トリッピアーの獲得にも動くとされるだけに、決して可能性がゼロというわけでもないだろう。昨年11月にはかつてイングランド代表監督などを歴任したグレン・ホドル氏も、「彼にCBを任せてみてはどうか」と提案している。

しかし、ワン・ビサカにCBを任せるのは流石に得策とは言えないか。いくら地上戦が得意といっても、中央の密集地帯とサイドのオープンスペースでは守備のやり方が異なる。加えて、昨今のマンUはハリー・マグワイアの相方として、空中戦に強いCBを求めているはずだ。欧州コンペティションでなら及第点のパフォーマンスを見せるヴィクトル・リンデロフですら、空中戦に関しては各方面から「プレミアでは通用しない」との評価を与えられている現状。そのなかで、リンデロフ(63.37%)よりも空中戦勝率の低いワン・ビサカ(50.67%)をCBに据えるのはなかなかに厳しいものがあるだろう。

もちろん、3バックシステムの右CBでの起用という可能性も高い。とはいえ、こちらもポジションでも左サイドから放り込まれるクロスに対しては、スライドしながら相手の屈強なCFに対応しなくてはいけない。やはり空中戦での弱さはネックとなるだろう。緊急時のオプションとしてはアリかもしれないが、基本的なプランに組み込むべきではないと言えるか。

ワン・ビサカは守備職人と呼ぶにふさわしいDFでこそあるものの、それはあくまでSBとしてプレイしているから。マンUが誇るタックルモンスターは頼れる男だが、CBへのコンバートは見送った方がいいかもしれない(記事内スタッツはデータサイト『SofaScore』より)。

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