ユーヴェ、来季の“希望の光”はやはりディバラか 最終節で見せた10番の底力

今季は思うようなシーズンを送れなかったディバラ photo/Getty Images

これまでの鬱憤を晴らすかのように躍動

23日に行われたセリエA最終節で、日本代表DF冨安健洋を擁するボローニャと対戦したユヴェントス。この試合を4-1で勝利し、前節までで4位につけていたナポリが引き分けに終わったため、なんとか最低限の目標であったチャンピオンズリーグ出場圏内の4位フィニッシュは成し遂げた。そして、ユヴェントス・ファンからしたら、このボローニャ戦では来季への“希望の光”も見ることができたのではないか。

この一戦で圧巻のパフォーマンスを披露したのが、ユヴェントスの10番を背負うアルゼンチン代表FWパウロ・ディバラだ。今季はたび重なる怪我やコンディション不良に悩まされ、なかなか本来のパフォーマンスを披露できず、ここまで19試合の出場(4ゴール2アシスト)にとどまっていた同選手。しかし、最終節ではこれまでの鬱憤を晴らすかのように躍動し、10番としての底力を見せたのだ。

アウトサイドや足の裏を巧みに使ったボールキープ力に、攻撃のスイッチを入れる鋭い縦パス、スルスルと抜けるドリブル、複数の選手の動きをしっかり把握する視野の広さ……。それらを駆使して終始違いを見せつけたほか、自身のゴールこそなかったが、アルバロ・モラタのゴールをアシストするなど、2得点に絡む大活躍。また、攻撃の起点として存在感を放ったのもそうだが、ネガティブトランジションへの意識の高さも見られた。この試合のディバラのプレイは、チームにCLの出場権をもたらすとともに、多くのファンを魅了したことだろう。
タラレバは禁物だが、「もしディバラがシーズン通してきちんとプレイできていたら……」なんて思いが頭をよぎったファンも少なくないのではないか。それほどこの10番は素晴らしい動きを見せていた。実際に、アンドレア・ピルロ監督も試合後の『DAZN』のインタビューで、ディバラを「彼のような選手は、どんなチームでもレベルを変えることができるよ。今季はたくさんの身体的な問題を抱えてしまい、一貫してトレーニングを受けられなかったが、もともとクオリティは持っている。我々は彼がいなくて寂しかった」と絶賛している。

今夏に再び退団の可能性も取り沙汰されているディバラ。やはり本来のパフォーマンスを発揮すれば、試合中に多くの違いを生み出せる選手で、チームをポジティブな方向へ持っていける選手だ。来季以降も是が非でもチームにとどめるべき選手だろう。

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