レアルが勝負どころで見せた底力 存在感示したベテランたち

ベンゼマは先制点を挙げ、求められる仕事をきっちりと遂行した photo/Getty Images

イタリアの難敵相手に3-1で勝利

チャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦2ndレグは、現地時間3月16日にレアル・マドリード対アタランタの試合が行われ、ホームチームが3-1で勝利。2試合の合計スコア4-1でベスト8進出を決めた。

難敵アタランタ相手に1stレグでは怪我人続出の中でなんとか勝利。迎えた2ndレグで決して安心できる状況ではない中、試合を決める働きを見せたのはこれまでのレアルを支えてきた“重鎮”たちだった。

中盤のフィルター役であるカゼミロを出場停止で欠く中、ジネディーヌ・ジダンが採用した[3-5-2]システムの中盤に入ったルカ・モドリッチとトニ・クロースの2人はマンツーマンでプレッシャーを仕掛けてくるアタランタ相手にも動じない。個人技術の高さや巧みなポジショニングでプレス回避するなどレアルのパス回しの中心を担う。
そんな中で試合を動かしたのは1stレグで不在だったカリム・ベンゼマ。前半34分に相手GKのパスをカットしたモドリッチからのボールを受けたフランス人FWは、冷静にゴールに流し込み先制点。直近のリーグ戦を含めて公式戦3試合連続ゴールのエースが得点源としての役割をしっかりとこなす。

また、2018-19シーズンにはアヤックス、2019-20シーズンにはマンチェスター・シティ相手にベスト16で敗退したレアルにとって影響の大きさが指摘されたのが主将のセルヒオ・ラモスの不在。リーグ戦のエルチェ戦で怪我から復帰をはたしたスペイン代表DFはこの日もセンターバックの真ん中で先発し、チームを引き締める働きを見せる。

そんなラモスは後半15分に、ヴィニシウス・ジュニオールが獲得したPKをしっかりと沈める。ベスト8を大きく引き寄せるチーム2点目をもたらした主将は、故障明けということもあり後半19分にお役御免となった。

その後アタランタの攻撃をルイス・ムニエルのFKによる1点で食い止めたレアルは、後半39分に途中出場のマルコ・アセンシオが3点目を決めて勝負あり。アタランタは奮闘を見せたものの、2ndレグに関してはタレント力の差が結果に現れた形となった。

主力の高齢化が指摘されるレアルだが、モドリッチ、クロース、ベンゼマ、ラモスといったこれまでのレアルを支えてきたベテランが依然としてチームに欠かせないことを示した。加えて、再三に渡るドリブル突破を見せたヴィニシウスやラモス不在時の穴を埋めていたナチョ・フェルナンデスなど周りを支える選手たちも好調を維持しており、チーム状況としては悪くない。

そんなレアルだが、CLの舞台で本当の勝負どころはベスト8での戦いだろう。リヴァプール、パリ・サンジェルマン、マンチェスター・シティなど決勝に進む力のある相手と対する可能性は高まってきた。主力が戻りつつあるとはいえ、エデン・アザールが再離脱し、ダニエル・カルバハルもいない中、アタランタ撃破に貢献したベテランたちの経験に頼る部分はあるだろう。

アタランタという曲者を退け勝ち上がりに成功したレアル。CLベスト8以降の戦いに挑んでいく中でラモスやベンゼマ、モドリッチ、クロースといった選手たちがどのような役割をはたすのか。健在ぶりを示すベテランたちの働きにも期待したい。

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