[注目試合]鍵を握るトッテナムの“可変システムの練度” ペップ・シティを封じるために必要なこと

強靭な肉体を活かしたボール奪取に定評があるエンドンベレ(中央右寄り)。守備時にトップ下からボランチに降りることが多い photo/Getty Images 

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マンCの猛攻を凌げるか

2020-21シーズンのプレミアリーグ22試合消化時点で8位のトッテナムは、現地時間13日の同リーグ第24節で首位マンチェスター・シティと対戦する。来季のUEFAチャンピオンズリーグ出場権確保の要件である国内リーグ“トップ4フィニッシュ”を果たすためにも、トッテナムとしては勝ち点3が欲しい一戦だ。

今季のトッテナムは、マンチェスター・シティのように自陣後方から丁寧にパスを繋ぐポゼッション型のチームと対戦する際、特殊な可変システムで挑む傾向が強い。[4-2-3-1]が基本布陣だが、相手ボール時に2ボランチの片割れが最終ラインに加わり、トップ下の選手がボランチに降りることで[5-4-1]の布陣を形成。ボールが自陣左サイドにある時は左側のボランチが、右サイドにボールが展開された場合は右側のボランチという具合に、ボールサイドのボランチが最終ラインに入るという約束事が徹底されている。

この可変システムのデメリットを挙げるとすれば、[4-2-3-1]から[5-4-1]へ移行する際、サイドハーフやトップ下の選手の帰陣が遅れると、ボランチの両脇にスペースができてしまうこと。このスペースをマンチェスター・シティのインサイドハーフ(ベルナルド・シウバ、イルカイ・ギュンドアン)に使われ、チャンスメイクを容易に許すようであれば、複数失点は避けられないだろう。サイドハーフのソン・フンミンやステーフェン・ベルフワイン(もしくはエリック・ラメラ、ルーカス・モウラ)、及びトップ下での出場が多いタンギー・エンドンベレが相手ボール時に素早く帰陣し、ボランチの脇のスペースを埋められるか。この点が勝負の分かれ目となりそうだ。

昨年11月のトッテナム戦で、ケイン(左)にチャンスメイクを許したマンC。CBのルベン・ディアス(右)を中心に、相手のカウンターを封じることができるか photo/Getty Images 

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マンCが警戒すべき、ケインのチャンスメイク

一方のマンチェスター・シティとしては、トッテナムの堅固な守備ブロックを前に攻めあぐね、カウンターを浴びて失点という事態を避けたいところ。ここで重要になってくるのが、中盤に降りてチャンスメイクを担うことが多いトッテナムのFWハリー・ケインをいかに封じるかだ。

0-2で敗れた昨年11月のトッテナム戦(プレミア第9節)では、中盤に降りたケインにセンターバックのアイメリック・ラポルテとルベン・ディアスが引きつけられたことで最終ラインの背後にスペースができ、そこに走り込んだソンに先制ゴールを奪われている。センターバックが二人ともケインに釣られてしまったことがこの失点の原因だが、今週末のトッテナム戦ではセンターバックのどちらかがケインに寄せ、もう一方が後方のスペースを埋めるというチャレンジ&カバーを徹底したいところだろう。ケインとマンCの2センターバックによる攻防も、この試合の見どころの一つだ。


マンチェスター・シティ×トッテナム(プレミアリーグ第24節)


2月13日(土) 26:30 キックオフ


予想スターティングメンバー


マンチェスター・シティ
基本布陣︰[4-3-3]

GK エデルソン
DF ジョアン・カンセロ
DF ジョン・ストーンズ
DF ルベン・ディアス
DF オレクサンドル・ジンチェンコ
MF ロドリ
MF ベルナルド・シウバ
MF イルカイ・ギュンドアン
FW リヤド・マフレズ
FW ラヒーム・スターリング
FW フィル・フォデン

監督 ジョゼップ・グアルディオラ


トッテナム
基本布陣︰[4-2-3-1]

GK ウーゴ・ロリス
DF セルジュ・オーリエ
DF トビー・アルデルヴァイレルト
DF ジョー・ロドン
DF ベン・デイビス
MF ムサ・シソコ
MF ピエール・エミール・ホイビュルク
MF ソン・フンミン
MF ステーフェン・ベルフワイン
MF タンギー・エンドンベレ
FW ハリー・ケイン

監督 ジョゼ・モウリーニョ





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