[MIXゾーン]強烈ミドルで逆転勝利の口火 川崎・MF守田英正に見えていたもの

浦和戦でJ初ゴールとなる同点弾を決めた守田 photo/Getty Images

流れを変えた一撃

これぞJ1制覇を成し遂げた2020年の川崎フロンターレ。今季の彼らは一度流れを掴めば止められない。16日に行われた第33節浦和レッズ戦も、そんなイメージを体現したようなゲームとなった。

この試合で前半にボール支配率69%を記録しながらも、なかなか浦和の堅い守備を崩し切ることができなかった川崎。11分にはPKで先制点を許す展開となり、試合を折り返した時点での雲行きはかなり怪しかったと言っていい。

しかし、後半開始から間もない53分にその流れは一変する。左サイドのFW三笘薫から相手PA手前でパスを受け取ったMF守田英正は、ワンタッチで右手前にボールを置くとそのまま右足を一閃。低く鋭いミドルシュートには浦和GK西川周作の反応も一瞬遅れ、ボールはゴール右サイドネットに突き刺さった。

この同点ゴールを契機として、川崎は勢いに乗る。59分には、右サイドの崩しから三笘がJ1新人最多記録に並ぶシーズン13得点目を挙げ逆転に成功。そして直後の61分には、この試合が等々力でのラストゲームとなったMF中村憲剛の鋭いパスに、長年ホットラインを形成したFW小林悠が反応して3点目。前半は攻めあぐねた川崎だが、最終的には3-1で今季ホーム最終戦を飾っている。

「前半の序盤はそれぞれのポジションもなかなか決まらなくて、相手のズレを生み出すことができませんでした。ですが、前半が終了するあたりでようやく自分たちの形が見えてきた。ズレをうまく利用しながら、そこに人が入り込んでいくという作業ができるようになりました。ですので、『後半もこの感じだったら点が取れるな』というのは感じていましたね。実際、後半45分間は川崎らしさが出たと思います」

豪快なミドルシュートで嫌な流れを断ち切った守田は、試合をこのように振り返っている。たとえ序盤に流れが悪くとも、自分たちでスイッチを入れることができるのが今季の川崎。彼の口ぶりからすると、たまたまそのスイッチを入れたのが自分だったということか。さらに、守田はそのように流れを引き寄せていく中で、自分がどのような役割を果たしていたかについても次のように語る。

「今日の試合に限らず、僕らは相手が中央を固めてきた際に2列目からの飛び出しを狙っています。ですが、今日の場合は相手にそれを予測されていました。ただ、3列目の自分が飛び出してもマンツーマンで網を張ってこようとしていたので、これはと思ったんです。結果的にそれほど自分にボールは入ってこなかったのですが、この動きによって相手守備陣にズレを生じさせることができました」

守備的MFながら常に浦和のブロックをどう崩すかについて考え、策を実行していたという守田。結果的にはその動きの繰り返しがボディーブローのように効き、浦和のガードをこじ開けることとなった。厳しい状況に置かれても、こうして一人ひとりが打開策を考えて実行できる。だからこそ、川崎は群雄割拠のJ1で独走優勝を果たすことができたのだろう。はたして、最終節の柏レイソル戦でも王者の進撃は止まらぬか。今季リーグ戦最後の試合も、勝利で飾りたいところだ。

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