フェルナンジーニョとの比較はナンセンス? ロドリは“自分の形”で勝負する

今季はここまで公式戦17試合に出場しているロドリ photo/Getty Images

「僕らは異なる選手」

ここ数年、マンチェスター・シティは長年チームを中盤の底から支えたブラジル代表MFフェルナンジーニョの後継者を探している。現時点で多くの人がその筆頭候補として期待をかけているのは、スペイン代表MFロドリだろう。2019年夏にアトレティコ・マドリードから7000万ユーロ(約85億円)もの移籍金を投じて引き抜いた大型アンカーに対する期待は間違いなく大きいものだった。

しかし、実際ロドリにその役割が務まるのか。加入以降の彼のプレイを見て、そんな一抹の不安を抱いている人は決して少なくないだろう。素晴らしいプレイヤーであることに違いはないものの、“フェルナンジーニョの後継者”としては少し物足りない。昨今、現地ではそんな声が上がっており、先日はクラブOBのマイカ・リチャーズ氏も「ロドリはフェルナンジーニョのような危機察知能力と守備範囲を備えていない」と、ロドリとフェルナンジーニョの間にある決定的な差を指摘している。

だが、ロドリ自身はそんな周囲の声はあまり気にしていないようだ。同選手は周囲から“フェルナンジーニョの後継者”として見られていることを理解しつつも、自分と彼は別の選手なのだと割り切っている様子。自分には自分の良さがある。その特長を活かしながら、チームのためにプレイしていきたいとロドリはクラブ公式サイトのインタビューへ次のように語る。
「フェルナンジーニョは間違いなくトッププレイヤーだ。彼の経験、クオリティの高さ……。全てがシティに必要だ。多くの人が僕に彼の後継者となるよう期待しているみたいだけど、僕らは異なる選手なんだ。彼からは多くのことを学んでいるけれど、何から何までまったく一緒というわけではないんだ。違う特長を持った選手として、僕はこれからも監督の要求に応えていきたいと思っているよ」

守備範囲に関してはフェルナンジーニョに軍配が上がるものの、ビルドアップの局面においては先輩MFにも劣らぬ貢献を披露してくれるロドリ。ジョゼップ・グアルディオラ監督も当然、彼の特長は理解した上でピッチに送り出しているはずだ。たしかに守備の局面でやや不安定な面を見せることもスペイン代表MFだが、彼には彼の良さがある。守備力の向上も大切なことは間違いないが、これからもロドリはフェルナンジーニョの背中を追いすぎることなく自分の長所をピッチ上で表現してほしいところだ。

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