[MIXゾーン]“ロティーナ体制終焉の噂”はどこから漏れたのか 空中分解も懸念されるC大阪の現状

退任が噂になっているロティーナ監督 photo/Getty Images

広島は数的不利ながらも守り勝ち

 恒例となっているロティーナ監督の前日会見の冒頭で、C大阪の広報から「試合についてのみの質問にしてください」と注意があった。これには理由があって、スポーツ新聞がロティーナ監督が今季をもって契約を満了し、退任することが決定したと報じたからだ。真偽は別にして、まだACL出場権が狙え、試合に集中しなくてはならない状況で指揮官の進退の問題が出てくることは非常にまずい。報道が選手に動揺を生むのではないかという不安がフロントにあったのだろう。

 試合前半はその不安が現実のものとなったような展開で、広島の一方的に攻めに、C大阪は成す術がない状態が続いた。

「前半はとても苦しい内容で、相手にとってはとても良い内容だった。私がC大阪にきてからワーストな前半だった。ボールを持って、思っていたようなプレイをすることができなかった」

 丁寧なビルドアップをしたいC大阪に対して、広島は3トップで相手のGK、2枚のCBにプレッシャーを掛け続け、それでも繋ごうとするC大阪がミスをしてボールを失うことの繰り返しだった。広島とすればまさに待ち望んだ展開。

「相手にボールを取られた瞬間もプレッシャーにいけていた。連続したプレスが利いていて自分たちの時間が作れた。相手にとっていやらしいところにボールを入れることもできた」(MF青山)

 まさに言葉通りのプレイ。これにはC大阪のMF木本も「前半に関しては広島が素晴らしいできだったと思う。自分たちは少し相手に呑まれたというか、自分たちのプレイができなかった」。

 もはや脱帽という感じだった。

 ただ広島は課題も見せる。

「2点目、3点目を取らないといけないような展開に持っていけたことは良かった。ただ、そこで1点しか入らないのが今の我々の課題なのかなとも思う」

 城福監督の言葉がすべてを物語っている。2点目を奪えば、勝敗は決しただろうと思える内容だっただけに、そこで1点が取れるかどうか。シーズン前には優勝候補の一角に挙げられた広島が、消化試合数にばらつきがあるとはいえ現時点では8位。チームのポテンシャルからすれば明らかに物足りない。

 ただそれでも一方的な広島ペースだったことは間違いない。それが一変したのは62分にFWレアンドロ・ペレイラが2枚目のカードを貰ったこと。C大阪の選手をファウルで倒し、その後ボールを意図的に外に蹴りだしてしまった。その不用意な行為で残りの約30分を広島は数的不利の状態で戦うことに。ただここで広島の集中力は、C大阪の怒涛の攻撃を上回ることになった。

「(守備を徹底すると)割り切るしかなかった。展開的には(相手選手を)しっかり外に追い出して、外からのボールにウチは強いので、しっかりスライドしながら時間をかけて、自分たちが前向きにペナルティーエリアの中で待って守れる状態を意識していた。中はしっかり閉じていた」(青山)

 トッププロが10人で本気で守ろうとしたら、ちょっとやそっとで崩れるものではない。まして数的不利になってからGK林がビッグセーブを幾度となく見せた。

「トレーニングでやってきたことを表現できたと思う。今日、出た選手の力だけではなく、広島に残っている選手も含めての勝利。結果的に(自身の)パフォーマンスで示せたことは良かったと思う」(林)

 前がかりで攻めに攻めたC大阪に広島の厚い壁が立ち塞がり、結局スコアは動かないまま。アウェイの広島が虎の子の1点を守り切った。

 試合終了のホイッスルとともに雄たけびを上げた城福監督。圧倒的な攻めから一転、苦しい展開を乗り越えての勝利に、喜びも格別だっただろう。

 一方のC大阪、最後まで果敢に攻めたことは確かだが、ゴールは遠く、シーズン序盤の勢いはない。ACL出場権獲得はかなり厳しいだろう。ましてスポーツ新聞が次々と新監督の名前を報じ始めている。情報の出所がどこかは分からないが、チーム内部にマスコミに情報をリークする人物がいることは確かなようだ。このままチームが空中分解してしまわないか、本当に心配な状態だ。


文/吉村 憲文

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