今夏移籍市場において、アーセナルは優秀な中盤戦士を確保した。その中盤戦士とは、ガーナ代表MFトーマス・パルティ。アトレティコ・マドリードから加入した同選手は、ここまで出場した8試合でガナーズの中盤に大きな変化を与えている。
強度の高い守備を最大の武器としつつ、攻撃面でも果敢に相手陣内へ進入する積極性を備えるパルティ。「最終的に攻撃面ではヤヤ・トゥレ、守備面ではマイケル・エッシェンのようにプレイしたいと思っている」。同選手は先日このように話していたが、この調子で活躍を続けることができれば、ゆくゆくはそうなることも可能だろう。アーセナルが確保した男のポテンシャルは計り知れない。
そんなパルティだが、彼は一体なぜ新天地としてアーセナルを選択したのだろうか。これほどの才能に恵まれた選手だけに、引く手は数多だったはず。実際、移籍決定前まではマンチェスター・シティやマンチェスター・ユナイテッド、チェルシーなども同選手の獲得に興味を抱いていると現地メディアが報じていた。しかし、そんななかでパルティのガナーズ行きを後押ししたという少し意外な男がいる。それはクラブOBの元トーゴ代表FWエマニュエル・アデバヨール氏だ。英『THE Sun』が伝えた。
「半年から1年前くらいかな。トーマスからイングランドのクラブについて聞かれたことがあったよ。そのとき、彼はユナイテッド、アーセナル、チェルシーのことを話題に出してきた。だから私は言ったんだ。『イングランドということなら、アーセナルに行くチャンスを逃す手はない。君が行くべきはアーセナルだ』ってね。あそこはファミリークラブだ。次のステップとして、トーマスは満足してくれるはずだと思ったよ。彼は弟のような存在だ。とても仲良くしているよ」
アデバヨール氏といえば、アーセナルで公式戦142試合に出場し62ゴールを記録したストライカー。しかし、2009年夏にマンチェスター・シティへ移籍したことにより、同クラブのファンからは「裏切り者」として扱われることも多い。移籍初年度の古巣対決でゴールを決めた際には、逆方向のゴール裏までわざわざ駆け寄ってアーセナルサポーターを挑発した過去も。そんなアデバヨール氏が弟分にアーセナル行きを勧めたことは、少々意外と言えるか。いずれにせよ、この同氏のアドバイスが少なからずパルティのガナーズ加入を後押ししたことは間違いなさそうだ。