2019年のドイツ・スーパーカップが現地時間3日に行われ、バイエルン・ミュンヘンがドルトムントに0-2で敗れた。
この試合で65%のボール支配率を記録し、計15本のシュートを放ったバイエルンだが、FWトーマス・ミュラーが交代で退いた後半20分以降のシュートは僅か3本(データサイト『WhoScored.com』の統計)。この3本の内訳に着目すると、FWロベルト・レヴァンドフスキが後半26分に相手ゴールからやや離れた位置から放ったヘディングシュート、同41分すぎにMFレオン・ゴレツカが無理な体勢で放った当たり損ねのボレーシュート、その直後にDFニクラス・ズーレが敵陣ペナルティエリア外から強引に放ったシュートと、どれも相手の守備ブロックを崩しきったうえでのものではなかった。
バイエルンはドルトムントのカウンターに手を焼き2失点を喫したものの、ミュラーがピッチに立っていた後半20分までは分厚い攻めを披露。[4-1-4-1]の布陣の右サイドハーフに入ったミュラーはタッチライン際から正確なクロスを供給するだけでなく、時折敵陣ペナルティエリア内や相手ゴール前へのフリーランニングを織り交ぜ、ドルトムントの最終ラインを攪乱。攻撃にアクセントを加えていた。ところが相手DFを引きつける動き出しに長けるミュラーが交代で退いたことにより、試合終盤はドルトムントの守備陣形を崩せないケースが頻発。サイドから単純にクロスを放り込んではドルトムントの最終ラインにボールを跳ね返され続けた。
2018-2019シーズンのブンデスリーガ10試合で勝利を逃したバイエルンだが(24勝6分け4敗)、この10試合のうちミュラーがフル出場しなかったゲームは8つ。同選手がベンチスタートとなった昨季の同リーグ第6節(ヘルタ・ベルリン戦)と第7節(ボルシアMG戦)では2試合とも無得点で連敗を喫したほか、同選手を出場停止で欠いた昨季のUEFAチャンピオンズリーグ・ラウンド16(リヴァプール戦)では1stレグと2ndレグを合わせて1得点に留まり、バイエルンは大会から姿を消している。このデータからも同選手の存在感の大きさが窺えるだろう。昨季はミュラーに早い時間帯での交代を命じたり、ベンチスタートとする試合が少なくなかったバイエルンのニコ・コバチ現監督だが、同選手の起用法や起用頻度を見直す時期に差し掛かっているのかもしれない。
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