リヴァプールの”新8番”はなぜ苦戦しているのか 欠けている攻撃性

リヴァプールのケイタ photo/Getty Images

まだ期待には応えられず

今季開幕前にリヴァプールはGKアリソン・ベッカー、MFファビーニョ、ジェルダン・シャキリなど積極的に新戦力を獲得したが、アリソンと同じくらい高い期待をかけられていたのがライプツィヒから合流したMFナビ・ケイタだ。ケイタへの期待はファビーニョとシャキリより大きかったのは間違いない。

しかし、ここまでケイタは思うようなシーズンを過ごせていない。パフォーマンスが悪いというわけではないが、期待が高すぎたためサポーターの目には無難なパフォーマンスに見えているのではないだろうか。英『Liverpool Echo』がケイタの気になるスタッツを取り上げているが、不足しているのはケイタの攻撃性だ。

ケイタはライプツィヒでプレイしていた頃に比べてパフォーマンスが悪くなっているわけではない。ただ、パスの内容には少し変化がある。ライプツィヒでは1試合平均の縦パス本数は20本だが、リヴァプールでは14.5本に低下。チャンスに繋がるパスもライプツィヒでは1試合平均1.49本あったが、リヴァプールでは0.48本まで減っている。パス成功率ではライプツィヒ時代が83%、リヴァプールで87%となっているため、リヴァプールの方がパス成功率は上だ。しかし、これはセーフティなパスを選択することが増えたためと考えられる。
当然チームスタイルによって変化もあるだろう。リヴァプールは格下と対戦する場合はボールを支配することになり、ライプツィヒほど速攻を仕掛ける機会が多いわけではない。ライプツィヒでプレイしている時の方が前を向いてボールを持つ機会が多く、それが縦パスを選択する回数が多かった理由でもあるだろう。

ただ、リヴァプールサポーターはそうした攻撃的なケイタを望んでいた。守備でハードに走り回って相手の攻撃の芽を潰すことはもちろん、中盤からの果敢な攻めあがりで得点部分にも貢献することが期待されていたのだ。フィリペ・コウチーニョが抜けてから中盤の得点力はリヴァプールの課題でもあったのだが、現段階でケイタはその期待に応えることはできていない。

プレイタイムの動きも興味深い。ケイタはリーグ開幕戦のウェストハム戦から先発フル出場しており、リヴァプールでのスタートは決して悪くなかった。一方でシャキリは途中出場ばかりで、ファビーニョはなかなかフィットせず10月後半からようやくリーグ戦で出番を得るようになった。

ケイタの方がスタートは良かったのだが、プレイタイムでは2人がケイタを上回っている。ケイタはここまで975分間プレイしているが、シャキリは1085分、ファビーニョは1092分だ。2人が徐々に存在感を増していったのに対し、ケイタは存在感が薄くなってしまった。

同メディアもライプツィヒ時代に比べてケイタのスタッツが大きく落ちたわけではないと擁護している。しかし、平均的なパフォーマンスでは今のリヴァプールの中盤に割って入ることは難しいのだろう。ジェイムズ・ミルナー、ジョルジニオ・ワイナルドゥムも好パフォーマンスを維持しており、競争は激しい。ケイタはよりアグレッシブなゴールへ向かうプレイでアピールする必要があり、後半戦からはボールロストを恐れることなく仕掛けることが求められている。

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