18日に行われたワールドカップ北中米カリブ海最終予選の最終節にて、キュラソー代表はジャマイカ代表と対戦し、0−0のスコアレスドローに終わった。この結果、グループB予選3勝3分無敗で首位に立ち、初めてのワールドカップ出場権を手に入れた。
キュラソーはカリブ海にある島で面積は444平方キロメートル、人口は約15万人の島国で過去にワールドカップに出場したアイスランドの人口40万人よりも下回る国だ。現在FIFAランキングは82位でここまで北中米ワールドカップ2次予選を無敗で突破、さらに最終予選も無敗で出場を決めた。
なぜここまでの快進撃を見せたのか、『The Athletic』は「ワールドカップ出場権獲得 大会最小の国が歴史に残るチームになるためどのように育成したか」と題し、同国代表を特集。同メディアは2つの取り組みを取り上げている。
まず1つは選手のほとんどをオランダ出身の選手で固めたこと。元々オランダの植民地であったキュラソーだが、キュラソーの協会会長であるギルバート・マルティナ氏がこの現状を現在のチームに活かし、チームのほとんどをオランダ出身の選手で集めたという。唯一のキュラソー出身の選手は一時期マンチェスター・ユナイテッドに所属し、現在はシェフィールド・ユナイテッドに所属するMFタヒス・チョンのみ。アストン・ヴィラに所属し、現在はトルコ2部のバンディルマスポルでプレイするMFレアンドロ・バクナが同国代表としてプレイしている。
2つ目はチーム内の雰囲気、そして監督であるディック・アドフォカートの存在だ。バクナは同メディアのインタビューにてオランダ出身の選手らを集めたことでチーム内の仲がさらに良くなったという。「私たちは一つの大きな家族だ。ピッチの外で親しい家族のように接していればピッチ上でも繋がりが生まれる。何度か一緒に練習すれば、お互いが何を求めているのか、どのようにサッカーをするのかが理解できるようになる。それが私たちの素晴らしい所だ」と語っている。監督であるディック・アドフォカート監督については「ディックは誰もが知る名コーチだ。彼に変わったことで、圧倒的な存在感を放つようになった所だ。特にピッチの外では大きく変わり、我々は試合前の準備やプロ意識の面でさらに向上した。それはピッチ上で結果を残す、試合に勝つ、勝てないなら負けないようにするという姿勢だ」と監督の影響もありチーム全体が向上したと話していた。
キュラソーの監督を務めるディック・アドフォカート監督はオランダ出身で同国のクラブPSVやフェイエノールトなどを指揮。代表ではオランダや韓国、ロシアなど様々な国の監督を務めた。同監督は2024年の1月にキュラソーの指揮官を務めた。初出場となったキュラソー代表が本大会でどんな活躍を見せてくれるのか注目である。