日本サッカー協会(JFA)はアジアサッカー連盟(AFC)からの脱退と、新たな地域組織を設立することを真剣に検討しているとスペインメディア『La Republica』が報じた。
同メディアによれば、脱退を検討する主なきっかけの一つとして、昨シーズンのAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)での出来事だと報道。横浜F・マリノス、川崎フロンターレ、ヴィッセル神戸が出場した昨シーズンのACLEにて、中国の山東泰山がグループステージの途中で棄権したことで元々グループリーグ3位だった神戸の順位が5位に転落。ACLEのラウンド16ではGLを突破した1位から4位のチームが2ndレグをホームで戦えるメリットがあったが、この件で神戸は2ndレグをアウェイで戦うことに。また対戦相手も当初はタイのブリーラム・ユナイテッドであったが、韓国の光州FCに変更。結果神戸は1stレグは2−0で勝利するが、2ndレグで0−3と巻き返され逆転負け。あまりに不公平な扱いを受けることとなった神戸はラウンド16で敗退となった。日本サッカー協会は、サウジアラビアやカタールといった経済的影響力の大きい国々への利益供与に不快感を抱いており、これらの国がAFCで影響力を増していることから脱退を検討しているという。
ここ最近のAFCのレギュレーションには多くの批判が集まっている。昨シーズンのACLEでは山東泰山の件もそうだが、その後のサウジ開催の準々決勝にも問題があった。準々決勝から集中開催となり、しばらくの期間サウジアラビアで開催されること、突如シードを取り入れ、サウジアラビアのチームの日程が有利になったこともそうだ。また日本は関係ないが、先日行われたワールドカップアジア4次予選でも、中立地開催だったはずがサウジアラビアとカタールで行うことが急遽決まり、この2カ国に有利な日程で進められた。これまでもピッチ内、ピッチ外ともに西側諸国に有利な状況があったために、こういった話が上がるのも致し方ないことだろう。
この報道は中国メディア『捜狐』でも取り上げられており、その運営モデルは南米サッカー連盟(CONMEBOL)と北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)のような分断を生み出すことだという。また日本が仮にこの構想を推進することを決定した場合、韓国などの同地域の国々のほか、オーストラリアやベトナム、タイ、インドネシアなども参加することが予想されるという。果たして本当に日本はAFCを脱退してしまうのだろうか。