ギェケレシュ1人だけで得点数を増やせるわけではない
今夏にスポルティングCPからFWヴィクトル・ギェケレシュの獲得に成功し、念願だったセンターフォワードを手に入れたアーセナル。ギェケレシュには1年目からゴール量産を期待したいところだが、ギェケレシュ1人で攻撃を完結できるわけではない。
英『BBC』は、ミケル・アルテタ率いるアーセナルがチャンスメイクの部分を改善すべきと取り上げている。
昨季のアーセナルはリーグ戦で546本のシュートを打っていて、これはリーグ5番目の本数だった。最も多かったのはリーグを制したリヴァプールで648本となっており、アーセナルとは100本以上の差がある。2位はマンチェスター・シティで607本、3位はチェルシーで595本、4位はボーンマスで581本だ。
アーセナルの場合はセットプレイに磨きをかけていることもあり、昨季はリーグで4番目に多い153本のシュートをセットプレイから放っている。リヴァプールが13番目の131本だったことを考えても、やはりアーセナルのセットプレイは印象的だ。
その一方で、オープンプレイからのシュート数はリヴァプールが最多442本に対し、アーセナルは6番目の363本とやや少ない。またリヴァプールがカウンターから66本のシュートを放ったのに対し、アーセナルは僅か28本に留まる。この28本という数字は14位タイだ。
セットプレイの強みはそのままに、もう少し速攻のバリエーションも増やしたいところか。ギェケレシュは昨季リーグ戦で1試合平均4.5本ものシュートを打っていて、これはアーセナルのFWカイ・ハフェルツ(2.6本)、ガブリエウ・ジェズス(3.0)を大きく上回る。リーグ環境にも違いがあるとはいえ、スポルティングCPがチーム全体でシュートチャンスを作れていた証であり、スポルティングCPは昨季リーグで最多となる624本ものシュートを放っている。
ギェケレシュの得点力を最大限引き出すには、チーム全体でのチャンスメイクが欠かせない。ギェケレシュ自身もリーグで2番目に多いオープンプレイから60回のチャンスメイクを記録していて、チャンスメイクにも絡めるFWであることは証明済みだ。
ギェケレシュのポストプレイも活かしつつ、チーム全体でのチャンス数を増やしていけるのか。ここはアーセナルにとっての課題となりそうだ。