夢の象徴だった1枚の写真が“儚い幻”に 未来を担うとされていたユナイテッドの若手3人が売却対象に

未来を背負うと期待されていた3人 Photo/Getty Images

財政難も影響

あの日、オールド・トラッフォードのストレトフォード・エンド前で肩を並べた3人の若手、アレハンドロ・ガルナチョ、コビー・メイヌー、ラスムス・ホイルンド。ウェストハム戦でガルナチョがゴールを決めた直後、3人は看板に腰かけ、歓喜に包まれるスタンドを背にしていた。「3人とも明るい未来があると信じている。あの写真がクラブの新時代の象徴になって、我々が素晴らしいことを成し遂げられたらいい」と語ったのはメイヌーだった。

しかし、2025年8月の開幕時点でこの3人が全員マンチェスター・ユナイテッドに在籍していない可能性が浮上している。『Manchester Evening News』が伝えている。

まず退団が確実視されているのがガルナチョである。才能は申し分ないが、態度面での問題が度々指摘されてきた。ルベン・アモリム監督は売却の意向を固めており、適切なオファーが届き次第放出される見通しとなっている。

続いて、ホイルンドもインテルから関心を集めており、今季苦戦した中でクラブは新たなストライカーを獲得する方針を明言。仮に残留しても序列は下がることが確実視されている。

唯一残留の可能性が高いとされるメイヌーも、安泰ではない。負傷により出場機会を減らした上に、契約延長交渉は停滞中。アモリム監督からの信頼も不透明で、売却の可能性が指摘されているようだ。

1年前のFAカップ決勝では、ガルナチョとメイヌーが共にゴールを記録し、ユナイテッドがマンチェスター・シティを破って戴冠した。あの試合で最も輝いていた若者たちが、今ではクラブの“売却候補”となっている。

アカデミー出身である彼らを売却すれば会計上は純利益。財政規律を定めるPSRの観点からもクラブは資金捻出を急いでおり、すでにこの夏も積極補強に乗り出している。

16か月前に撮影された、あの「希望の1枚」。それは今、クラブの変わり果てた現実によって、ただの記憶へと変わろうとしている。

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