日本史上最高のDF冨安を襲う“ふくらはぎ”のトラブル そこに潜む危険とは「ふくらはぎの怪我を繰り返すと……」
今季は好調を維持してきた冨安だが…… photo/Getty Images
ふくらはぎのトラブルは癖になると厄介だ
今季は開幕から好調を維持し、最近はサイドバックのスタメンを奪取しつつあったアーセナルDF冨安健洋を再び怪我の悪夢が襲った。
冨安は今月2日のウォルバーハンプトン戦で左足のふくらはぎを痛めてしまい、全治4週間から6週間ほどかかると見られている。
冨安は過去にもふくらはぎのトラブルを抱えており、やや怪我が癖になっているところがある。英『Daily Canon』は、怪我が連続するところにふくらはぎトラブルの怖さがあると指摘。サッカー選手にとってかなり危険な怪我の1つと解説している。
「ふくらはぎの怪我はトップレベルのサッカー選手にとって一般的なものだが、厄介な問題になり得る。このスポーツの性質上、激しい運動量、素早い方向転換、定期的なスプリントが求められ、ふくらはぎに大きな負担がかかる。ふくらはぎの筋肉はダッシュ、ジャンプ、素早い方向転換などのアクションにおいて極めて重要であり、脆くなりやすい箇所でもある。試合中にふくらはぎの筋肉は常にストレスを受けているため、緊張や断裂が起こりやすくなるのだ」
「特にトップレベルの戦いでは、最高のパフォーマンスを発揮しなければならないという計り知れないプレッシャーがかかる。トレーニングやゲームの激しさにより、プレイヤーは体を限界まで追い込むことがよくある。これにより、筋肉の使いすぎが起こって筋肉が疲労し、怪我をしやすくなる。ふくらはぎの怪我の場合、日常生活でも筋肉が常に使用されているため、治癒が遅くなりがちだ。歩くだけでも回復を長引かせることになるのだ。ふくらはぎは軽度の肉離れでも筋肉が脆くなったり、柔軟性が低下したりして、再発のリスクが高くなる」
「ふくらはぎの怪我を繰り返すと、選手に心理的な影響を与えることもある。再び負傷するのではないかという恐怖がパフォーマンスに影響を及ぼし、フィールド上でより慎重になる可能性があるからだ。これによりプレイスタイルが変更され、意図せずに他の怪我のリスクが高まる可能性もある」
冨安は日本人DFとしては歴代屈指の完成度を誇り、身体能力も抜群に高い。それを支える筋肉には常に負担がかかっているのだろう。日本代表の絶対的レギュラーでもあるため、海外組の冨安は定期的な日本への長距離移動も求められる。やや怪我が継続しているが、このトラブルとどう向き合っていくのか。1月にはアジア杯が予定されているが、ふくらはぎのトラブルは焦らずじっくりと治すべきで、強引なアジア杯参戦は避けた方がいいかもしれない。