前節は“1点ビハインド”で遠藤航投入 交代枠増加に見るクロップ・リヴァプールの戦術変更プラン

クロップの指示を聞く遠藤 photo/Getty Images

試合途中の戦術変更もやりやすくなった

前節のフラム戦で美しい弧を描くミドルシュートを決めてチームを救い、逆転勝利に貢献したリヴァプールMF遠藤航。

このゲームで遠藤は2-3とリードされた83分から出場したのだが、この采配に驚いた人もいるかもしれない。1点を追いかける状況で守備に強みを持つ遠藤を投入した指揮官ユルゲン・クロップの狙いが分からないと感じた人もいたはずだ。

クロップは65分にもMFアレクシス・マクアリスターを下げてDFジョー・ゴメスを投入し、それに合わせてトレント・アレクサンダー・アーノルドを右サイドバックから中盤へと移している。
遠藤は4枚目の交代カードで、中盤でバランスを取る意味があったのだろう。現在は交代枠が5枚用意されており、リヴァプール専門メディア『Liverpool.com』も増枠された交代枠を上手く使ったとクロップの采配を評価する。

「4-3で勝利したフラム戦では、ユルゲン・クロップの交代策に疑問を抱くリヴァプールサポーターもいただろう。遠藤航を出す?ゴールが必要なときに?と」

「交代カードが3つではなく5つ使えるのは大きい。監督たちは選手の負担軽減のため交代枠の増加を求めたが、それが戦術的な観点からも役立っているのは明らかだ」

この日のリヴァプールはFWコーディ・ガクポ、ジョー・ゴメス、DFイブラヒマ・コナテ、そして遠藤の4人を途中出場させており、交代枠を上手く使って戦術を変更している。

特にアーノルドの起用法は1つのポイントで、アーノルドを右サイドバックで起用するのか、それとも中盤へ移すかで戦い方が変わってくる。それも試合中に変更可能で、アーノルドと遠藤を中盤で組ませるのも1つのオプションになる。

遠藤がミドルまで決めるとは予想外だったかもしれないが、クロップの采配が当たったのは確かだ。交代枠が増えたことにより、試合中の戦術変更も指揮官に求められる能力となっている。

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