[西岡明彦]契約更新も順調、“来季こそ”のアーセナルは新戦力に積極的

サリバの契約更新もようやくまとまる見込み photo/Getty Images

プレミア最強ガイド #103

 2022-23の英国シーズンはマンチェスター・シティのチャンピオンズリーグ初制覇を含む3冠獲得で幕を閉じました。圧倒的なプレイレベルと豊富な選手層で他の追随を許さない彼らの強さを認める一方で、プレミアリーグで最後まで覇権を争ったアーセナルも評価に値する一年でした。現在ミケル・アルテタ監督のチームは、新シーズンに向けた準備を着々と進めています。

 来季はチャンピオンズリーグの舞台に復帰することもあり、MFとDFの選手層を厚くすることが求められているアーセナル。新戦力の補強と同時進行で進めているのが現有戦力の契約更新です。ここにきて、今季終盤は腰痛により離脱したものの最終ラインに安定感をもたらしたフランス代表DFのウイリアム・サリバとの契約更新がまとまる見通しとなりました。現地メディアの報道によると、クラブは現行契約の5倍に相当する週給20万ポンドの4年契約を提示、パリ・サンジェルマンなど身分照会してきた他クラブと遜色ない報酬を提示することで残留が濃厚になりました。これで今年に入り、ガブリエウ・マルティネッリ、アーロン・ラムズデール、ブカヨ・サカに続き4人の主力と契約を更新することになり、順調な編成作業でファンは安堵しています。

 あとは、中盤のバランサーを担うアンカーの人選が大きな鍵を握ることになります。グラニト・ジャカが新天地を求めて移籍する可能性があることを想定して、ウェストハム所属のイングランド代表デクラン・ライスとブライトン所属のエクアドル代表モイゼス・カイセドに接触、条件交渉を含めてコンタクトを続けています。ライスにはバイエルンやマンチェスター・ユナイテッドも獲得に乗り出しており交渉が難航することが予想されます。またこのポジションでは、今季限りで契約満了となるマンチェスター・シティのイルカイ・ギュンドアン、来季限りで契約満了となるチェルシーのメイソン・マウントなど処遇が不透明なタレントが多く存在します。日々状況が変化する中で、クラブの迅速な動きと決断が求められています。
 今夏、アーセナルは米国でのプレシーズンツアーで始動します。MLSオールスターやマンチェスター・ユナイテッド、バルセロナとテストマッチを行い、帰国後にはASモナコと親善試合を実施し、開幕に備えます。アルテタ監督はトレーニングとテストマッチでチーム戦術の浸透とレベルアップを図りながらスポーティング・ダイレクターのエドゥと連携して新戦力の契約交渉を進めることになります。

 20年ぶりとなる悲願のプレミア制覇へ。クラブは休みなく動いています。

 文/西岡 明彦

電子マガジンtheWORLD(ザ・ワールド)282号、6月15日配信の記事より転載

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