J1、J2ともに第3節が終わった段階ですが(本原稿執筆時)、さっそく気になったチームがあります。これからの戦いぶりが楽しみな4チームを取り上げたいと思います。
6年ぶりにJ1に帰ってきた新潟は、開幕戦でC大阪と引分け、続く広島に2-1で競り勝ちました。ホーム開幕戦となった札幌戦にも1-1で3戦負けなしというスタートを切りました。これまで積み上げてきたサッカーが、J1でも通用することを証明しています。
昨季からチームを率いる松橋力蔵監督は、アルベルト・プッチ・オルトネダ前監督(現FC東京のアルベル監督)のもとで1年間コーチを務めており、アルベルト監督が作り上げたボールを握るスタイルをより浸透させ、さらに進化させました。うまさのある選手たちが献身的にハードワークする現代的なスタイルで守備の強度を保っています。
やることが変わらないので、新加入の太田修介もすぐにフィットし、広島戦、札幌戦で連続得点しています。2列目の顔ぶれをみると、小見洋太、三戸舜介に加えて、ケガからの復帰が待たれる高木善朗や新外国籍選手のダニーロ・ゴメスもいます。いろいろな組み合わせが可能で、まだまだチーム力を高めていけるポテンシャルがあります。
なにしろ、伊藤涼太郎がついにJ1で覚醒しています。伸び悩んだ時期もありましたが、技術力の高さ、キックの正確性、ドリブル力に秀でていて、相手に怖さを与えています。まわりの選手もうまく使えるタイプで、プレイの選択肢が豊富です。自身のプレイに磨きをかけ、新潟により多くの勝点をもたらすことができれば日本代表も狙えます。
湘南も好スタートを切りました。強度のある守備から縦に早くという湘南スタイルを大事に継続しており、ハイライン、ハイプレスで縦に推進力のあるサッカーを続けています。加えて、山口智監督になってしっかりと自分たちでボールを握り、後方からビルドアップするスタイルも身に付けています。
これまでは得点力がなく勝点に結びつかない試合もありましたが、開幕戦で大橋祐紀がハットトリック。小野瀬康介もすんなりフィットし、すでに移籍後初得点をマーク。町野修斗も得点しており、ゴールを取り切れると昨季の12位を上回る一桁順位が見えてきます。
第3節川崎戦で大橋祐紀が負傷交代しましたが、交代出場した20歳の平岡大陽が得点しました。開幕戦に続いてのゴールで、今季の大ブレイクが期待されます。そもそも川崎戦は主導権を握っており、勝っていてもおかしくありませんでした。
どこまでいけるかわかりませんが、“湘南の暴れん坊”がついに! という気配をヒシヒシと感じています。いよいよ、暴れてくれるかもしれません。