日本から世界の三笘薫へ。もはや三笘のドリブルは観衆を魅了するだけでなく、サッカー界でも見習うべき手本の1つとなりつつある。
三笘が大学を経て川崎フロンターレ入りした経歴は欧州でも話題となっており、学生時代の三笘がどうドリブルを研究してきたのか世界が知りたがっている。
独『Sportschau』が称賛するのは、三笘のセーフティなプレイだ。今季の三笘はプレミアリーグで84.4%のパス成功率を記録しており、仕掛ける時と安全に繋ぐ時の判断が優れている。
もちろんチームスタイルによって違いはあるが、プレミアリーグを代表するドリブラーでもあるウォルバーハンプトンのアダマ・トラオレ、ニューカッスルのアラン・サン・マクシマンのパス成功率はどちらも73.6%となっている。強引にドリブルを仕掛けてからクロスを放り込むようなプレイを選択すれば、当然この数字は落ちる。三笘の場合は仕掛けた後のプレイ選択も優れているということなのかもしれない。
「日本代表のミトマはオープンスペースへドリブルを仕掛け、ペナルティエリアへと侵入していく。そのドリブル成功率は50%強といったところで、これはリーグ内でも高い数値だ。彼はパスもセーフティで、攻撃の中心だ。プレミアリーグのウイングでこれほど多くのパスを出しながら、高いパス成功率を記録している人はほとんどいない。彼はそのスキルでプレミアリーグのDFを翻弄するが、その理由を科学的に解説する唯一のサッカー選手になる可能性がある」
同メディアはこう称えており、三笘の仕掛けは科学的に計算されたものと捉えられている。ウイングの中には感覚的にドリブルを仕掛けている選手も少なくないはずで、一か八かで勝負をかける者もいるだろう。対して三笘のドリブルは緻密に計算されているからこそ、不用意なロストが少ないのかもしれない。
異色のドリブラーとして世界的に注目を集め始めている三笘。注目度が高まるほど研究されていくことにはなるだろうが、それをも乗り越えれば分かっていても止められない領域のドリブルが完成する。そこが最終地点となるはずで、三笘がどう進化していくのか楽しみだ。