ミランどころか欧州5大リーグで最も頼れるベテランストライカー? 36歳ジルーがチームにもたらした希望の光

トリノ戦でゴールを決めたジルー photo/Getty Images

ここから復調していきたいミラン

FIFAワールドカップ・カタール大会で7試合4ゴールという活躍を見せ、フランス代表の準優勝に大きく貢献したミランのFWオリヴィエ・ジルー。その反動なのか、ミランに戻ってからはやや低調なパフォーマンスが続いていたが、11日のトリノ戦ではチームを勝利に導く活躍を見せた。
 
ワールドカップ開催によるリーグ戦中断期間が明けてから前節のインテル戦まで、1勝2分5敗と絶不調に陥っていたミラン。目に余ったのはこの間一度もクリーンシートを達成できていなかった守備の崩壊ぶりだが、それと同時にオフェンスの迫力もなくなっていった。ミランの攻撃の軸であり、フランス代表の一員としてワールドカップ決勝まで戦ったジルーやDFテオ・エルナンデスのパフォーマンスも芳しくなく、ワールドカップで5試合に出場したポルトガル代表FWラファエル・レオンのキレも徐々に失われていった。
 
ステファノ・ピオリ監督は3バックへの布陣変更やレオン外しなどを決行し、状況の改善を試みたがそれも効果を発揮せず。そんな中で迎えた11日のトリノ戦。3バックは継続したままレオンをスタメンに戻し、ジルーとレオンの2トップを採用した。
 
FWズラタン・イブラヒモビッチがベンチに戻ってきた効果もあったのか、これまでに比べて少し動きが良くなったミランは、ジルーやレオンを中心にトリノゴールに迫った。そして62分にはついにこの男がゴールをゲット。T・エルナンデスのクロスにジルーが頭で合わせ、先月9日のローマ戦以来、約1ヵ月ぶりとなる先制点をミランにもたらした。彼らはこの1点のリードを最後まで守りきり、久々の勝利を手にしている。
 
これを受け、伊『Gazzetta dello Sport』は「最も困難な時期を過ごしているミランに光を灯した」とジルーのゴールを称賛している。そして、欧州5大リーグで今季10ゴール以上に関与した最年長選手が、36歳の彼であることも合わせて紹介した。ジルーはトリノ戦のゴールにより今季のリーグ戦成績を7ゴール4アシストに伸ばしている。
 
できることならFWディボック・オリギやFWチャールズ・デ・ケテラエル、FWアンテ・レビッチあたりがもう少しジルーの負担を軽減させてあげてほしいところだが、今の状況ではまだまだピオリ監督も彼に頼らざるを得ないだろう。ミランがリーグ戦でのトップ4フィニッシュやチャンピオンズリーグでの躍進を果たすためにも、今回のゴールをきっかけにジルーの調子が上向いていくことに期待だ。

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