[W杯マッチ62]ジャンピングボレーであっさりとモロッコからゴール奪う フランスは2大会連続ファイナル進出。連覇なら史上3カ国目の快挙

ジャンピングボレーから先制点を挙げたテオ・エルナンデス photo/Getty images

フランスがアルゼンチンの待つ決勝に駒を進めた

MATCH 62 準決勝

2022年12月14日 22:00キックオフ(会場:アル・バイト・スタジアム)

フランス 2-0 モロッコ

今大会ここまで11ゴールを奪っているフランス。攻撃陣にはタレントが揃っており、ムバッペはその筆頭だ。対するモロッコは堅守を武器としており、全5試合で未だ1失点のみ。しかもその1点はオウンゴールであり、カタールの地で相手にゴールを許していない。

そんな一戦はフランスの先制で幕を上げる。5分、グリーズマンの巧みな抜け出しでボックス内に進入すると、右サイドからクロスを供給。一度はモロッコの守備陣が体を張って攻撃を防いだが、こぼれ球をエルナンデスがジャンピングボレーでゴールに叩き込んだ。堅守を武器としていたモロッコの守備陣をフランスがあっさりと破った。

その後は両者がボールを握って敵陣に攻め込むハイテンションな展開となる。両チームともに後方からボールを運ぶことに長けており、前半は両チームが主導権を奪い合った。

モロッコは4強入りしているだけあって各ポジションに実力者が揃う。ハキミ、ウナイ、ブファルの3人は推進力のあるドリブルを武器としており、彼らが中心となって攻撃を進める。

敵陣でセットプレイのチャンスを得ることでモロッコは怖さを見せる。キックの名手であるツィエクは、45分には右サイドからのコーナーキックで鋭いクロスを供給した。最後はエルヤミクがボックス内からバイシクルシュートを放ったが、シュートは惜しくも左ポストを叩いた。

ミドルシュートからフランスゴールを脅かしたアゼディン・ウナヒ photo/Getty images

モロッコは攻撃で怖さを見せたがフランスの堅守を破るには至らず

後半はムバッペの素晴らしい左サイドからの突破でスタートした。51分にはスピードを生かした突破を披露しており、一気に敵陣までボールを進めた。

後半はよりモロッコが敵陣深くまで攻め入るようになる。53分にはブファルの突破から、54分にはパス一本で左サイドからフランスゴールを脅かす。57分にもウナイの抜け出しから畳みかけるが、ビッグチャンスを作るには至らない。

モロッコの流れを断ち切るため、デシャン監督はジルーに代え、192cmと長身でスピードもあるテュラムを最前線に投入する。71分にはテュラムが獲得したFKでフランスがチャンスを得る。グリーズマンのピンポイントにのクロスにテュラムが合わせモロッコゴールを脅かす。

モロッコの攻め疲れや、テュラムの投入もあって自陣で守りを固めていたフランスが徐々に前に出るようになる。すると79分、フランスに2ゴール目が生まれる。ムバッペがボックス内で素晴らしい突破を見せシュートを放つと、最後は途中投入されたコロ・ムアニが押し込み大きな追加点。モロッコは準決勝の前の時点で1失点しかしていなかったが、フランスが堅守をこじ開けた。

モロッコも後半アディショナルタイムに猛攻を見せる。途中出場のアブデが左サイドから単独での突破を成功させ、最後はウナヒがボックス内から右足を振り抜いたが、フランスの守備陣が壁となってゴールを許さない。

モロッコの攻撃を凌ぎ切ったフランスが2-0で勝利して決勝進出を決めた。2大会連続であり、アルゼンチンを破ればイタリア、ブラジルに次ぐ史上3カ国目のW杯連覇となる。アルゼンチンとは前回のW杯・ロシア大会のラウンド16で対戦し、当時は4-3でフランスが勝利を収めている。

敗れたモロッコだが、何度も相手ゴールに迫っており、攻撃力は決して低くなかった。ウナイの突破力、ブファルの推進力、ツィエクの高精度のキックと攻撃での選択肢は豊富だったが、最後は決してやらせないフランスからゴールを奪うことはできなかった。3位決定戦の相手はクロアチアで、グループステージ以来の再戦となる。その際はスコアレスドロー。次はどのような結果になるのか楽しみだ。

勝利を喜ぶアントワーヌ・グリーズマンとディディエ・デシャン photo/Getty images

[スコア]
フランス 2-0 モロッコ

[得点者]
フランス
5分 テオ・エルナンデス
79分 ランダル・コロ・ムアニ

[ポゼッション]
フランス 34% モロッコ 51% 中立 15%

[シュート数]
フランス 15 モロッコ 13

[枠内シュート]
フランス 2 モロッコ 2

[イエローカード]
モロッコ1枚
ソフィアン・ブファル

[レッドカード]
なし

[ラインナップ]
フランス
フォーメーション : [4-3-3]

監督 : ディディエ・デシャン

GK
ウーゴ・ロリス(トッテナム/イングランド)

DF
ラファエル・ヴァラン(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)
ジュール・クンデ(バルセロナ/スペイン)
テオ・エルナンデス(ACミラン/イタリア)
イブラヒマ・コナテ(リヴァプール/イングランド)

MF
アントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリード/スペイン)
オーレリアン・チュアメニ(レアル・マドリード/スペイン)
ユセフ・フォファナ(モナコ)

FW
オリヴィエ・ジルー(ACミラン/イタリア)
キリアン・ムバッペ(パリ・サンジェルマン)
ウスマン・デンベレ(バルセロナ/スペイン)

交代出場
65分 オリヴィエ・ジルー→マルクス・テュラム(ボルシアMG/ドイツ)
79分 ウスマン・デンベレ→ランダル・コロ・ムアニ(フランクフルト/ドイツ)

モロッコ
フォーメーション : [3-4-3]

監督 : ワリド・レグラギ

GK
ヤシン・ブヌ(セビージャ)

DF
ロマン・サイス(ベシクタシュ/トルコ)
ジャワド・エルヤミク(バジャドリード/スペイン)
アクラフ・ダリ(スタッド・ブレスト/フランス)

MF
アクラフ・ハキミ(パリ・サンジェルマン/フランス)
ヌサイル・マズラウィ(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ)
ソフィアン・アムラバト(フィオレンティーナ/イタリア)
アゼディン・ウナヒ(アンジェ/フランス)

FW
ハキム・ツィエク(チェルシー/イングランド)
ソフィアン・ブファル(アンジェ/フランス)
ユセフ・エン・ネシリ(セビージャ)

交代出場
21分 ロマン・サイス→セリム・アマラ(スタンダール・リエージュ/ベルギー)
46分 ヌサイル・マズラウィ→ヤヒア・アティヤトアラー(ウィダード)
66分 ユセフ・エン・ネシリ→アブデルラザク・ハムダラー(アル・イテハド/サウジアラビア)
66分 ソフィアン・ブファル→ザカリア・アブクラル(トゥールーズ/フランス)
78分 セリム・アマラ→アブデ・エザルズーリ(オサスナ/スペイン)

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