シティはもうアーセナルに選手を売却しない? 予想以上だったジェズス&ジンチェンコ“元シティ組”の大活躍

ガブリエウ・ジェズスはすでにアーセナルの大黒柱となっている photo/Getty images

ライバルを強化してしまった

今季のプレミアリーグではアーセナルがサプライズを起こしている。ワールドカップ・カタール大会開催による中断期間までの前半戦では14試合消化して12勝1分1敗勝ち点37でリーグ首位に立っており、2位のマンチェスター・シティとはすでに5点差がついている。ケビン・デ・ブライネ、ベルナルド・シウバをはじめとするシティの多くの主力はW杯に出場することになっており、アーセナルに追い付く元気は残っていないかもしれない。

そんなアーセナル躍進を支えたのは近年の的確な補強だ。昨季の夏は冨安健洋をはじめとする若く優秀な選手をアーセナルはかき集めており、ベン・ホワイトやアーロン・ラムズデールと今の最終ラインを形成する選手を獲得した。ここまで11失点はリーグ最少の数字であり、補強の成果が出ている。

今夏の移籍市場では王者シティから2人の選手を獲得した。ガブリエウ・ジェズスとオレクサンドル・ジンチェンコのことだ。両者ともにシティでは絶対的な1番手ではなかったが、能力は確かなものを持っており、何より以前シティでコーチをしていたアルテタが自らの目で、その選手を見ている。
移籍後両者はすぐにアーセナルに適応した。ジェズスはセンターフォワードで絶対的な存在となり、5ゴール5アシストを記録。決定力不足を指摘されることもあるが、守備での貢献などジェズスをピッチに置くメリットのほうが大きい。

ジンチェンコは怪我に悩まされているが、左サイドバックとしてキーラン・ティアニーとは違った良さを出すことができる。大外だけでなく中にポジションを取ることができ、ビルドアップを支える。左SB、中盤と2つのポジションでプレイ可能であり、アーセナル移籍後はさらに評価を高めた。

英『Football Insider』によると、シティは今後アーセナルに選手の売却を行わないことを決めたようだ。明確な理由は明かされていないが、今後アーセナルからオファーがあったとしても断るという。

まだリーグの結果が決まったわけではないが、アーセナルは今季プレミアの優勝候補1番手である。今季のシティは昨季ほどの安定感はなく、すでに4試合で勝ち点を落としている。アーセナルは2試合でしか勝ち点を落としておらず、ジェズスとジンチェンコの加入が大きく貢献している。そのためシティはこの売却を後悔しているのかもしれない。シティの指揮官であるジョゼップ・グアルディオラは2人の残留を希望していたようだが、この未来を予想していたのか。

放出時は選手の希望を聞き入れるシティ。今夏の放出も彼らが希望したものであり、シティは求める移籍金を支払えるクラブに売却している。ただ売却先がリーグのライバルであり、今後は売却先を慎重に選ぶべきだといえる。

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