冨安健洋に求められる“攻守両面での完璧さ” 英紙はティアニーと比較し攻撃面での物足りなさを指摘

攻守両面で完璧なパフォーマンスを求められる冨安健洋 photo/Getty images

冨安がスーパーマンにならない限りこの論争は終わりそうにない

アーセナルは23日にアウェイでサウサンプトンと対戦。前半グラニト・ジャカのゴールで先制したが、後半はセインツペースとなり、追い付かれ1-1でのドロー決着となった。アーセナルはリーグ4連勝中で、勝ち点を落とすのは9月のマンチェスター・ユナイテッド戦以来のこととなる。

10月に入り出場機会が増えている日本代表の冨安健洋はリーズ・ユナイテッド戦、PSV戦に続いて先発となり、セインツ戦は左サイドバックとしてピッチに立った。

冨安のプレイは非常に堅実であり、ミスなく攻守両面に関わる。スタッツは素晴らしく3回のインターセプト、3回のタックルを記録、ビルドアップではロングパスの成功率が100%だった。後半はキーラン・ティアニーが入ったことで冨安は右SBに。冨安のユーティリティ性が発揮されており、確実にミケル・アルテタの選手起用の幅が広がっている。
「同点弾の場面ではやられてしまったが、ほとんどサポートがなかった。アーセナルはティアニーを起用したことで、攻撃がより前進したように見えた」

英『football.london』では冨安をこのように評価している。失点には絡んでしまったが、味方のサポートがなかったと冨安を酷評することはしていない。だが攻撃面での物足りなさを感じているのか、より攻撃的なティアニーと比較している。

確かに同メディアが指摘するようにティアニーが入ったことで左サイドはより攻撃的になった。ティアニーは推進力のあるドリブルでボールを進めることができ、アタッキングサードでの選択肢も多い。ただ冨安には違った良さがあり、ティアニーが持っていない点でいえば、自陣ビルドアップの際のポジショニングか。冨安は両足を使うことができ、視野が広い。アーセナルのSBはただ外に張るだけでなく中央でトーマス・パルティと並ぶことも要求され、偽SB的な動きをティアニーはそれほど得意としていない。要するに使い方の問題であり、こういったことが問題となる際は選手というよりもアルテタの人選に問題があることになる。

冨安が輝くのは相手のアタッカーがより強力な場合であり、セインツ戦のようなゲームはスタートがティアニーでも良かったのかもしれない。冨安は堅実だが、より高い位置でプレイする際の迫力はティアニーが上であり、今後もこの問題については議論されることになりそうだ(データは『SofaScore』より)。

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