プレミアリーグ第4節。アーセナルは劇的な逆転勝利を収めた。好調フラム相手に先制を許すも、64分にマルティン・ウーデゴーが、86分にガブリエウ・マガリャンイスがゴールを決め、2-1と開幕からの連勝記録を4に伸ばしている。
英『The Athletic』によればこれが記念すべきミケル・アルテタ政権でのリーグ100戦目となったようだ。その中で53勝を挙げており、100戦で54勝だったアーセン・ベンゲル氏に続く好成績を叩き出した。
アルテタ政権に期待感が生まれたのは5位でプレミアをフィニッシュした昨季だ。アーロン・ラムズデール、ベン・ホワイト、冨安健洋と即戦力の守備者を獲得し、後方からチームを支えた。さらにウーデゴーをレアル・マドリードから完全移籍で獲得し、中盤にもスパイスを加えた。既存戦力でいえばブカヨ・サカ、エミール・スミス・ロウ、ガブリエウ・マルティネッリの三銃士が評価を高め、全体的にチームが強化された。
昨季の躍進はセットプレイコーチであるニコラス・ジョーバー氏の存在も大きいと、同紙は付け加える。一昨季である20-21シーズンでのセットプレイからのゴールはわずか6点であったが、ジョーバーの登場で昨季は倍以上となる16ゴールに増えている。それはリーグで3番目に多い数字であり、今季もすでに4試合で4得点だ。
昨季の上積みに加え、アーセナルは今夏の移籍市場でも大型補強を行った。ガブリエウ・ジェズスとオレクサンドル・ジンチェンコの2人である。ジェズスはストライカーとしてアーセナルに足りていなかった得点力をチームに提供し、すでに2ゴール3アシストだ。ジンチェンコは左サイドバックとしてキーラン・ティアニー不在でもアーセナルが戦えるようにすぐさまフィットし、すでに欠かせない存在になっている。
マルセイユから戻ってきたウィリアム・サリバの存在も大きい。今季は冨安の負傷もあって右サイドバックにはセンターバックのベン・ホワイトが入っている。昨季であればホワイトが抜けた位置にロブ・ホールディングが起用されるのだが、実力でいえば物足りない。昨季のトッテナムとのノースロンドンダービーでは退場しており、トップのCBではない。
サリバはジェズス、ジンチェンコと同様にチームに適応した。守備力、ビルドアップ共にハイレベルで、21歳とは思えないクオリティを持つ。
今のアーセナルは各ポジションに実力者が配置されており、守備時はハイプレス、攻撃時は後方から丁寧につなぐサッカーを実現できている。現状は中盤に怪我人が続出してしまっているが、新戦力獲得で補おうとしており、長い22-23シーズンを戦う準備の真っ最中だ。非常に順調であり、今季に期待しないほうが難しい。