決勝で“主役”となった縁の下の力持ち アンチェロッティが生み出したバルベルデのウイング起用という発明

CLでは本来の中盤ではなく右サイドで起用されることが多いバルベルデ photo/Getty images

バルベルデの重要度が増したシーズンとなった

レアル・マドリードが1-0でリヴァプールを破り、14度目のビッグイヤー獲得となった。ファイナルはCL決勝トーナメントでレアルがこれまで見せた劇的なものではなかったが、堅実に奪った1ゴールを守りきった。

そんなレアルだが、このCLでは多くの選手が主役になった。決勝でヴィニシウス・ジュニオールのゴールをアシストしたフェデリコ・バルベルデもその一人だ。

母国ウルグアイからレアルに引き抜かれ、その後デポルティーボでプレイするなどローン移籍も経験したバルベルデ。18-19シーズンからトップチームに復帰しており、今季は46試合に出場して1ゴール2アシストを記録している。

中盤の選手であり、インサイドハーフで起用されることが多かった。レアルの中盤3枚はカゼミロ、ルカ・モドリッチ、トニ・クロースと素晴らしい選手がいるが、3人とも30代に突入しており、23歳と若いバルベルデは彼らの後継者として考えられている。

だが、バルベルデは今季、新境地を開いた。それが3トップの右ウイングだ。CLではラウンド8のチェルシー戦から用いられており、続くマンチェスター・シティ戦でもバルベルデは右ウイングとしてスタートした。

この起用はバルベルデの守備強度の高さと攻撃での貢献度を考えてのものだと考えられる。レアルは基本的に左サイドのヴィニシウスと中央のベンゼマを攻撃の中心としている。そのため、カウンターでは彼らにボールが渡ることが多く、守備時でも高い位置を取る場合がある。そこでバランスを取るために右サイドの選手が低い位置を取ることになるのだが、そうなれば中盤でもプレイできるバルベルデがロドリゴよりも適任なのだ。

リヴァプール戦で低い位置を取ったことによって、右サイドバックのダニエル・カルバハルと共にルイス・ディアスに対応できたのは効果的だった。右サイドのモハメド・サラーに並ぶ勢いを見せている今注目のドリブラーであり、彼に仕事をさせなかった。

このバルベルデのウイング起用は左サイドの攻撃力をより生かすためのものでもあり、バルベルデへの攻撃での期待値はそこまで高いものではなかった。言ってしまえば守備固めの起用だ。だが、推進力のあるドリブルは武器であり、リヴァプールの重心を大きく下げることに成功している。バルベルデに速いイメージはなかったが、ストライドの長いドリブルは簡単に追いつけず右サイドの深い位置までリヴァプールは侵入されてしまった。

カルロ・アンチェロッティのバルベルデ右ウイング起用というのは大きな発明となった。サイドアタッカーではないが、バランス型のプレイスタイルとマッチしており、ファイナルでは大仕事をやってのけた。

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