中堅クラブの強さがプレミアの魅力 来季の“CL出場権争い、EL出場権争い”を面白くさせる計8クラブ

プレミアリーグ最終節はアストン・ヴィラがマンチェスター・シティを苦しめた photo/Getty images

最終節もヴィラがシティを追い詰めた

プレミアリーグ最終節マンチェスター・シティはアストン・ヴィラに勝利すればリーグタイトルが獲得できるという一戦だったが、一時は0-2と差を広げられ、逆転は難しい状況に陥っていた。最終的には3-2とそこから逆転するわけだが、ヴィラが今季のリーグ王者を苦しめたのは事実だ。

プレミアリーグの魅力はこの中堅クラブの強さにある。莫大な放映権料が各クラブに入っていることで夏、冬共にしっかりとした補強をすることができる。ニューカッスルは冬に大型補強を敢行し、最終的には降格圏から11位まで順位を上げている。

英『GIVEMESPORT』では今季の全20クラブを8段階の評価に分けている。最も評価が高いのはもちろん優勝したシティであり、2番目にリヴァプール、3番目の評価にチェルシー、ウェストハム、ブレントフォードが入った。

ウェストハムはBIG6の牙城を崩すのに最も近いチームだ。デクラン・ライスやジャロッド・ボーウェンはイングランド代表入りしており、プレミア屈指の実力者が揃う。今季はELと並走するシーズンであり、後半は失速してしまったが、7位と好成績を残した。もしライスを売却することになっても莫大な移籍金がクラブに入ることになり、さらなる戦力投資を行うことができる。

ブレントフォードは今季のサプライズといっていいだろう。昇格組ながら13位でフィニッシュしており、リーグ戦ではアーセナルを撃破、リヴァプールに3-3での打ち合いを演じるなど上位相手にも果敢に立ち向かった。トーマス・フランクという魅力的な監督とイヴァン・トニーをはじめとする強力な選手を揃えており、来夏の移籍市場での出来次第ではトップハーフも狙える位置につけている。

4番目にはトッテナム、ニューカッスル、クリスタル・パレス、ブライトンが選ばれた。ニューカッスルの資金力はプレミアではナンバーワンであり、新監督エディ・ハウのもとでウェストハムに続くBIG6の牙城を崩す可能性を持つクラブである。彼らの強みは選手の最適な起用法を見つけられる目を持つ監督の存在とチームに合った補強ができるフロントだ。それは冬の移籍市場で証明されており、次の移籍市場が楽しみである。

パレスは監督も選手も若手路線に切り替えたことで成功を収めた。監督はパトリック・ヴィエラになってから守備ではハイプレス、攻撃では動きのある魅力的なサッカーを展開している。補強は若手中心であり、コナー・ギャラガーは今季の大ヒットとなった。彼は保有元のチェルシーに返すことになるが、ミカエル・オリーズをはじめまだまだ逸材はおり、彼らの補強も楽しみだ。

ブライトンに足りないのは得点を奪う強引さだ。失点数44はリーグ6番目だが、得点数は下から数えたほうが早い。失点は少ないが、得点も少ないクラブには攻撃の組み立て方がおろそかになっている傾向が強いが、ブライトンは違う。グレアム・ポッター監督のもとでどうやって攻撃を前進させるのか明確になっており、それは上位陣にも通用する。しかし、アタッキングサードでは迫力不足であり、ベルギーからやってくるデニス・ウンダブの得点力に期待だ。

5番目にはレスター・シティとウルブズ、アーセナルが選ばれた。今季開幕直前の期待値でいえばレスターはウェストハムより上だった。若手、中堅、ベテランをバランスよくとった補強は素晴らしかったが、けが人が続出してしまった。それでも、今季は8位でフィニッシュできたのだが、持っている戦力でいえばBIG6に対抗できるだけのものはある。あとはブレンダン・ロジャーズ監督のもとでどう成熟させるかであり、来季は今季の悔しさをぶつけたい。

ウルブズの改善点はブライトンとほぼ同じだ。失点数43はシティ、リヴァプール、チェルシー、スパーズに続くものだが、得点数38は下から4番目である。ディオゴ・ジョタを失って以降、ラウール・ヒメネスの相方が不在であり、そこさえ埋まればより上を目指すことはできる。今季就任したブルーノ・ラージ監督は非常に優秀であり、来季も堅守を武器に上位を苦しめることになるか。

6番目にはリーズ・ユナイテッド、サウサンプトン、アストン・ヴィラが入る。ヴィラは最終節シティに肉薄したのだが、最終的なリーグテーブルを見ると、14位にいる。シーズン途中から現指揮官のスティーブン・ジェラードが就任しており、まだ日が浅いともいえるが、安定感のなさは彼らの課題だ。シティを驚かせることもできるが、降格してしまったバーンリーに引き分けるなど、勝ち点を落としてしまっている。この弱みを今後のオフシーズンでなくせるかが来季浮上のカギだ。

22-23シーズンで期待できる中堅クラブはこのウェストハム、ブレントフォード、ニューカッスル、クリスタル・パレス、ブライトン、レスター、ウルブズ、アストン・ヴィラの8クラブだ。もちろん、補強次第で彼ら以外のクラブも期待できるようになるが、この8クラブは戦術の土台がしっかりしている。攻撃時はこう戦い、守備時はこう守るといった約束事がチームに浸透しており、だからこそ上位陣にも一泡吹かせることができる。現状の上位はBIG6というよりはシティ、リヴァプールのBIG2といった方がしっくりくることもあり、よりCL出場権争い、EL出場権争いが来季は白熱することになりそうだ。

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