決定力の差以外にあったレアルとシティの違い 交代枠がスターリングとグリーリッシュでは物足りなかった?

チャンスを作れなかったラヒーム・スターリング photo/Getty images

グリーリッシュはまだものになっていない

レアル・マドリードとのCLラウンド4、2ndレグでは1-3と敗れ、準決勝で姿を消すことになったマンチェスター・シティ。このゲームでは決定力のなさ、2分間で2ゴールを決められてしまう脆さを露呈したが、もう一つ今後に向けて改善すべきポイントは選手層の薄さである。それは特に前線においてだ。

レアル戦ではオレクサンドル・ジンチェンコ、イルカイ・ギュンドアン、ジャック・グリーリッシュ、フェルナンジーニョ、ラヒーム・スターリングの計5人を投入した。ジンチェンコ、ギュンドアン、フェルナンジーニョのパフォーマンスはそこまで悪いものではなかった。特にフェルナンジーニョは投入後から頭がさえており、ビッグチャンスを生み出した。

しかし、前線で投入されたグリーリッシュ、スターリングのパフォーマンスには疑問が残った。グリーリッシュは2度自身の突破からビッグチャンスを生み出したが、決められず、たらればではあるがどちらかが決まっていれば、結果に影響を及ぼした。守備面では失点シーンで簡単にクロスを上げさせてしまっており、直接的なミスではないが、ガブリエウ・ジェズス級の強度があればと考えてしまう。

スターリングはグリーリッシュのようなチャンスを生み出せなかった。プレイタイム自体の短さもあるが、印象が薄い。守備では奮闘していたが、やはり彼に求めるのは得点やスピードを生かしたドリブルでの突破である。だが、効果的に発動できた場面もなく、頼れる存在ではなかった。

対するレアルは交代選手のロドリゴとエドゥアルド・カマヴィンガが仕事をした。得点に関与したからレアルの選手の方が上だということではないが、シティとしては前線3枚に代わることができる選手の不在がシーズン終盤の問題点であり、解決できていない。以前はフィル・フォーデンが途中から流れを変えられるカードだったが、今ではスタメンに定着している。

来季で2季目となるグリーリッシュはそういったカードになる、もしくは今の3トップ、フォーデン、ガブリエウ・ジェズス、リヤド・マフレズらに並ぶ必要がある。今季はキープ力やファウルを上手く受けるなど強さは見せているが、試合の結果に直結するゴールやアシストが少ない。英『planet football』では1億ポンドの価値をそろそろ示す必要があると手厳しい指摘を受けている。今季のトップチームに影響があった補強はグリーリッシュだけであり、彼が存在感を見せられないようでは、シティは昨季からの戦力的な積み上げがない。

来季からトップチームに合流するとされているリーベル・プレートのフリアン・アルバレスは選手層を厚くするのにぴったりな選手である。センターフォワードが本職のストライカーだが、右ウイングもできるユーティリティ性を持つ。前線に張るだけじゃなくチャンスメイクできるプレイの幅の広さも魅力であり、期待されている選手の一人だ。

3トップの選手層であれば、フォーデン、ジェズス、スターリング、マフレズ、グリーリッシュ、時にはケビン・デ・ブライネ、ベルナルド・シウバの偽9番と薄くはないシティ。だが、終盤になるにつれてスタメンとベンチスタート組に差が生まれてしまっている。決めきりたい試合で決められず、レアル戦のような悔しい思いをする機会を減らすためにも前線の人員整理、補強は必須であり、どのようにして層を厚くさせるのか注目だ。

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