残念ながら今年のワールドカップ・カタール大会出場を逃してしまったイタリア代表。
再び4年後を目指しての長い旅が始まったわけだが、代表チームの改善には何が必要なのか。その1つに世代交代は挙げられるはずで、DFジョルジョ・キエッリーニ、レオナルド・ボヌッチ、FWチーロ・インモービレなど、一部のベテランとは別れることになるはずだ。
フレッシュな若手の登場に期待したいところだが、ユヴェントスでプレイするDFマッティア・デ・シリオは若い選手に国外へ出てほしいと口にする。セリエAでのプレイだけでなく、もっと視野を広げてほしいとの考えなのだ。自身も1シーズンだけフランスのリヨンでプレイした経験があるため、国外でのプレイだからこそ得られるものがあると知っているのだろう。
「フランスはスピードがあって、下位クラブも守るだけでなく常に勝ちにくる。イタリアの若い選手が国外へトライしないのは残念だよ。イタリアを離れることを恐れる人も少なくないけど、国外挑戦は豊かな経験になる。国外では若い選手でも重要なゲームに対して準備ができている。それをフランスで見てきたし、彼らはミスすることを恐れていないんだ。イタリアの場合、若い選手は好パフォーマンスの後には称賛されるけど、悪いゲームの後は叩かれる」
「リヨンでプレイすることの楽しさを再発見したよ。イタリアと比較するなら、イタリアの方がメディアやファンからのプレッシャーはきついと思う。フランスでは1つのゲームに憤慨することがなく、フットボールに対するアプローチはもう少し穏やかだね」(仏『L’Equipe』より)。
3月に行われたワールドカップ欧州予選プレイオフに招集されていたイタリア代表選手を振り返ると、国外組はGKピエルルイジ・ゴッリーニ(トッテナム)、ジャンルイジ・ドンナルンマ(パリ・サンジェルマン)、DFエメルソン・パルミエリ(リヨン)、MFジョルジーニョ(チェルシー)、マルコ・ヴェッラッティ(パリ・サンジェルマン)の5人だけだ。他国に比べると国内組が多い印象ではある。
セリエAが世界最高の状態であれば問題ないだろうが、現状はイングランド・プレミアリーグやスペインのリーガ・エスパニョーラに押されている印象がある。国外でプレイした方が若い選手の得られる経験は大きいのかもしれない。
4年後に向けてイタリアサッカー界、そして若いイタリア人選手の感覚は変わっていくだろうか。何か新しいことにトライすべきなのは明らかで、若手の積極的な国外挑戦は1つの選択肢となるはずだ。