中盤の世代交代を進める“最良の一手”となる? シティが熱視線を送る、ペップに「世界最高」と称賛された男

マンチェスター・シティへ移籍が噂されるマテウス・ヌネス photo/Getty images

23歳の楽しみな若手である

ボルシア・ドルトムントのアーリング・ハーランドとは個人合意間近であると伝えられたマンチェスター・シティ。移籍市場に精通しているファブリシオ・ロマーノ氏によればシティはドルトムントが要求する契約解除金を支払うと見られており、今後より正確な情報が発信されることになるか。

そんなジョゼップ・グアルディオラ監督率いるシティだが、ストライカー問題が解決すれば次は中盤である。現状ではフェルナンジーニョが今季での退団を発表しており、来季中盤が一人少ない状態でスタートすることがほぼ確定している。若手ではロメオ・ラヴィアと呼ばれる逸材がいるが、ロドリの控えを彼に任せるのは少々荷が重すぎる。英『manchester evening news』によれば、獲得候補はスポルティングCPのMFマテウス・ヌネスになる。以前から何度も報じられており、シティはスカウトをスポルティングCPに派遣しているようだ。

ブラジル出身ながらポルトガルでプレイし、ポルトガル代表としてすでにデビューを飾っている23歳のヌネス。クラブでは[3-4-3]のダブルボランチとして出場機会を得ており、今季はリーグ戦30試合に出場して2ゴール2アシストを記録している。スポルティングCPでのスタイルは攻守に躍動するボックス・トゥ・ボックスだが、シティ移籍後にアンカーへとスタイルを変えさせるつもりなのか。ペップから同選手への評価は高く、今季CLグループステージで対戦した際は試合後に「世界で最高の選手の一人」と称賛しており、その時から獲得の算段は付いていたのかも知れない。

フェルナンジーニョの代役として獲得するのであれば、ヌネスではなくアンカー的な役割をクラブで任されている、それこそウェストハムのデクラン・ライスがいいとも考えられるが、ヌネスをターゲットにしたのはインサイドハーフでもプレイして欲しいためだと予想できる。

現状の中盤はアンカーのロドリが絶対的なスタメンとなっている。25歳と若く、怪我も少ない。シーズンを通して計算できる選手であり、ベテランのフェルナンジーニョのような人材が戦力的にも、起用法的にもフィットしていた。しかし、そのベテランが退団となれば新しく選手を取る必要があるのだが、ロドリと同レベルのアンカーを取ったところでポジションを奪い合うだけになり、非常に勿体ない。であれば、インサイドハーフでもプレイ可能でアンカーでの起用を見出せるヌネスをターゲットにしたのだろう。また、フェルナンジーニョも今ではアンカーだが、以前はより前に出る潰し屋のようなスタイルであり、ペップはヌネスに以前のフェルナンジーニョの姿を見たのかも知れない。

インサイドハーフとしてもヌネスのような走力があって強度の高い選手は欲しかった。インサイドハーフはケビン・デ・ブライネ、イルカイ・ギュンドアン、ベルナルド・シウバの3人で今季はローテーションしているが、守備強度の点を重視すればシウバくらいしか適任者がいない。フィル・フォーデンを中盤に起用する手もあるが、現状では3トップのどこかでプレイするのがあっているように見える。デ・ブライネ、ギュンドアンも30代に突入しており、若返りを図る意味でもヌネス獲得はメリットが多い。

ポルトガルリーグでのスタッツは地上戦での勝利数181回、ドリブル成功数73回が共にリーグで2位の成績となっているヌネス。強度の高さとボールを前進させる技術は中盤では必須であり、シウバと並んでチームにエネルギーを与えられる存在となるのか、注目だ(データは『SofaScore』より)。

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