ドイツ&スペイン撃破へ板倉&遠藤の同時中盤起用もありだ ドイツで伸びる2人の“万能守備戦士”

シャルケで活躍する板倉 photo/Getty Images

板倉の成長で増えるオプション

今年のワールドカップ・カタール大会にてドイツ、スペインと同居することになった日本代表は、何よりも守備が最優先事項となる。両チームから複数得点を奪うのは難しく、それこそ1-0のようなスコアでなければ勝ち点3は望めないかもしれない。

では、守備をどう組むのか。主に使用している[4-3-3]からシステムを変えるのも奇策の1つだが、注目したいのはブンデスリーガ2部のシャルケで活躍を続ける板倉滉か。

今季マンチェスター・シティからシャルケにレンタル移籍している板倉には、450万ユーロでの買取オプションが付随している。シャルケが1部へ昇格できた際には買取オプションが行使されると見られており、『90min』もそれだけの価値はあると板倉のパフォーマンスを認めている。
評価されているのは、センターバックとボランチの両方をこなせるユーティリティ性だ。シャルケでも両方を担当しており、2部ながらドイツの地で複数ポジションの経験を積めているのは大きい。

センターバックなら吉田麻也、冨安健洋に次ぐ3番手となりそうだが、3バックにする場合は板倉の先発起用もあり得る。板倉の台頭で守備のオプションが増えているのは間違いない。

あるいは板倉を[4-3-3]のアンカーに入れ、中盤の要である遠藤航をインサイドハーフに上げるのも守備的なパターンとしては面白い。最終予選ではアンカーに遠藤、その前に同じドイツ2部のデュッセルドルフでプレイする田中碧、ポルトガルのサンタ・クララでプレイする守田英正を配するケースが多かったが、より守備を重視するなら板倉と遠藤の同時起用もありだ。

遠藤はインサイドハーフでもプレイ可能 photo/Getty Images

遠藤もシュツットガルトではインサイドハーフを何度かこなしており、ドイツ1部で攻撃面も伸びている。遠藤にはより高い位置からアグレッシブな守備に動いてもらい、それに応じて攻撃面のカギとなる守田の自由度を上げることも可能だ。

田中碧も9日のハンザ・ロストック戦では得点を記録するなどドイツ2部で奮闘しているだけに人選は悩ましいが、シャルケで守備面を評価されている板倉をワールドカップでベンチに置いておくのももったいないか。

場合によっては遠藤&板倉をダブルボランチとする[4-4-2]や[4-2-3-1]も選択肢にはなる。こうした悩みが生まれるのも、サイズがあってセンターバックとボランチの両方をこなしてくれる板倉の成長があればこそと言える。

まだシャルケの状況がどう変わるか分からないが、今のところシャルケは2部でブレーメンと同じ勝ち点53を稼いで首位に立っている。残り5試合を上手く乗り切れば悲願の1シーズンでの1部昇格となり、板倉も1部の空気を味わえるかもしれない。ワールドカップまで時間は残されているため、僅かでも板倉がドイツ1部の戦いを経験できれば大きい。

遠藤、板倉とドイツのサッカーを肌で感じている2人が守備のキーマンとなってくるはずで、初戦のドイツ戦で2人を並べるのも選択肢の1つとなるはずだ。板倉がシャルケとともに1部へ昇格できるかどうかは、日本代表にも大きな影響を与えそうだ。

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