アトレティコにも通用した切れ味はこう使うべき 元日本代表アギーレ監督が示した“至宝・久保建英”の起用法

アトレティコ・マドリード戦では途中からピッチに立った久保建英 photo/Getty images

アギーレ監督は熱意を重視するタイプだ

バルセロナ、レアル・マドリードとスペインの二大巨頭に在籍し、現在はマジョルカでプレイする久保建英。20歳と若い選手で、クラブ、日本代表共に将来を大きく期待されている。

そんな久保が所属するマジョルカに元日本代表監督のハビエル・アギーレ氏が就任し、初戦となったアトレティコ・マドリード戦では1-0と勝利を収めた。今季のマジョルカはアトレティコとの相性が良く、前節は久保の決勝ゴールで2-1と白星を獲得している。

アトレティコ戦で結果を出していた久保をアギーレ監督は先発で起用してくると思われたが、トレーニングで熱意を感じられなかったようでベンチからのスタートとなった。それでも、後半にイ・ガンインと交代でピッチに入ると右サイドで躍動。攻守に駆けまわり、特にライン間でのプレイは際立っていた。ドリブルをすればファウルでしか止められないほどの切れ味を見せており、36分のプレイタイムの中で4度ファウルを受けている。試合後の会見でアギーレ監督は「プレイしたいという熱意を見せてくれた、ピッチでは最高のタケだったよ」と久保のパフォーマンスを称賛している。

先発での起用も期待したいが、現状では途中投入からの起用が久保に合っているのかも知れない。アトレティコの選手はスタートから54分プレイしているのに対し、久保はリフレッシュした状態でピッチに立っており、体の軽さで久保を上回ることはできない。久保は水を得た魚のように躍動しており、走ることができていた。そこに久保の技術が加わればアトレティコほどの守備集団でも対応には苦戦する。

日本代表でポジションを確立できているとはいえない久保からすれば、途中投入で出番を得ることはマジョルカの活躍を考えれば今の生きる道だといえる。代表では右サイドには伊東純也がおり、システム上得意とするトップ下がない。しかし、交代で出場することになれば選択肢は増える。伊東と交代してもいいし、システムを変えてトップ下を導入する手もある。アトレティコ相手にも通用するライン間でのプレイはスペイン代表やドイツ代表と対戦するカタールでは必須であり、久保はカタールまでの約7カ月でジョーカーとしての道を探すべきだろう。

欧州でもレベルの高いリーガ・エスパニョーラでプレイしている久保。まだ20歳というのが驚きであり、彼はここからどのように成長を遂げていくのだろうか。

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