デ・ブライネは「世界最高のMF」で決まり? ケイン、サラーに並ぶ個で戦術を破壊するモンスター

今季はビッグマッチに強いケビン・デ・ブライネ photo/Getty images

頼れるエースが輝いた

ビッグマッチでは両チームの戦術がぶつかり合う白熱した試合となるが、どこまでゲームのレベルが上がっても最終的には個の力が結果を左右する。モハメド・サラーやハリー・ケイン、リオネル・メッシらはその個の力がずば抜けており、戦術を個で打ち破ることができる。

ジョゼップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・シティにはそういったビッグプレイヤーはいなかった。が、2-2と引き分けになったリヴァプール戦でのケビン・デ・ブライネは、前述したような選手に並ぶような、個で戦術を凌駕できるクオリティであったことは間違いない。

デ・ブライネはCLやリーグ戦では対BIG6のような重要なビッグマッチではコンディションを上げてくる選手であり、リヴァプール戦でも開始直後からエンジン全開だった。先制点を挙げたのはデ・ブライネであり、4人に囲まれることになったが、ボックス外から迷いなく右足を振り抜いている。結果ジョエル・マティプに当たることになったが、ボールの勢いが強かったこともあってゴールネットを揺らしている。その後も勢いは衰えず、キーパスは2回を記録。テクニックではなくスピードとフィジカルを重視した推進力のあるドリブルはファウルでしか止められず、終盤にはファビーニョに寄せられながら逆足である左でスルーパスを供給している。最後はそのパスを受けたリヤド・マフレズがシュートを外すことになったが、後半ロスタイムでもパフォーマンスが落ちないのは素晴らしい。

この輝きに対して英『manchester evening news』は「世界最高のMF」とエースを称賛。30歳と少し衰えが指摘され始めたデ・ブライネだが、ビッグマッチでもまだまだ戦えるということを証明している。

シティは来夏の移籍市場でストライカーの獲得を目指しており、候補とされるボルシア・ドルトムントのアーリング・ハーランドが来れば素晴らしいコンビになるだろう。このリヴァプール戦でもデ・ブライネの高精度のクロスに誰も触れずボールが流れてしまうシーンが見られた。そこでゴールへの嗅覚に優れた選手がいれば、よりシティの攻撃に迫力が出るはずだ。

リヴァプール戦では貴重な先制ゴールをマークし、リーグ戦では11ゴール目を記録したベルギー代表MF。チーム内ではトップの数字であり、キャリアハイである19-20シーズンの13点に近づきつつある。残りリーグ戦は今季7試合であり、記録更新に期待だ。

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