レアルのドリブルキングがビッグゲームで存在感示せず 再び壁にぶつかってしまったヴィニシウス

ここ最近は苦しいゲームが続くヴィニシウス・ジュニオール photo/Getty images

次のビッグゲームはチェルシー戦だ

今季のレアル・マドリードの好調を支えているヴィニシウス・ジュニオールだが、どうにもここ最近、調子がよくない。得点数だけでいえば14ゴール6アシストと見事な数字を残しているが、重要な一戦となったパリ・サンジェルマンとの2戦、0-4で大敗となったバルセロナ戦ではゴールを奪えていない。

この3試合ではゴールだけでなく得意のドリブルも封じられた印象だ。特にバルセロナとのエル・クラシコではエースであるカリム・ベンゼマが不在ということもあって攻撃時には彼にボールが多く集まった。しかし、対峙するのは守備力に長けたロナウド・アラウホであり、抜きさることはできない。さらにアラウホ以外にも他のバルセロナの選手が寄せてきており、スペースがなかった。ここまではそんな状況でも突破する切れ味を持っていたが、バルセロナ戦では完全に牙を抜かれてしまっていた。

気になるのは彼の今後だ。リーグ戦でバルセロナに負けはしたが、まだ勝ち点差が12ポイントとかなり離れている。残りのリーグ戦は9試合であり、大崩れしなければリーグタイトルは獲得できる。

しかし、CLはそうはいかない。準々決勝の相手はチェルシーに決定しており、代表ウィークの明けた7日に1stレグが、その翌週の13日に2ndレグが予定されている。ここで再び沈黙してしまえば今季積み上げてきたここまでの評価はすべて台無しになってしまう。

また、ベンゼマがその試合でも不在であれば、バルセロナ戦のようにヴィニシウスの突破が攻撃時の主な選択肢となる。対峙するDFはセサル・アスピリクエタかリース・ジェイムズのどちらかであり、両者ともに対人性能に定評のある選手だ。アスピリクエタはスピード面でこそ難はあるが、ここまで培った経験値で応戦してくる。

今季は一皮むけるも、再び壁にぶつかってしまったヴィニシウス。どのチームとの対戦でも左サイドからのカットインを読まれてしまっており、バルセロナ戦でも利き足である右に満足にシュートを打てる場面は少なかった。レアルとしてもヴィニシウスとしても新たな選択肢をプレイに組み込む必要があるのだが、チェルシー戦までの短い期間で壁を超えることはできるのだろうか。

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