ベンゼマがいないだけでここまで脆くなるのか バルセロナに0-4と大敗したレアルが犯したミス

珍しく名将の考えが外れてしまった photo/Getty images

想像以上に深刻だ

リーガ・エスパニョーラ第29節、レアル・マドリード対バルセロナの伝統のエル・クラシコが行われ、結果0-4とレアルが大敗となった。今季のクラシコはこれで三度目であり、1回目、2回目はレアルが大きな実力差を見せて勝っていただけに、この負けには驚かされた。

最大のライバルに敗北したレアルだが、エースFWカリム・ベンゼマの不在が大きく響くことになった。

まず、一つ目はビルドアップだ。このゲームではベンゼマが不在ということでカルロ・アンチェロッティ監督はルカ・モドリッチをセンターフォワードに置く偽9番を採用してきた。しかし、これが大きな敗因となる。モドリッチをフリーマンとする発想は悪くなかったが、最前線にボールが収まらず自らバルセロナに押し込まれる展開を作ってしまった。パリ・サンジェルマンをも沈めたカウンターも前線でボールが収まらない状態では発動せず、チャンスというチャンスはなかった。

次に守備だ。これはベンゼマというよりはアンチェロッティ監督のミスなのだが、守備時はモドリッチとトニ・クロースにバルセロナの最終ラインへプレスをかけさせていた。が、これが全くハマらなかった。センターバックにプレッシャーを与えても、フレンキー・デ・ヨングやピエール・エメリク・オバメヤンといった選手が上手く受けており、プレスが無効化されてしまった。さらにモドリッチ、クロースがプレスに出たことで中盤にスペースが生まれ、そこを使われてしまう悪循環にも陥り、バルセロナに好き放題されて4失点と守備が崩壊してしまった。

アンチェロッティ監督としてはベンゼマ不在のプランを考えていたようだが、それがすべて裏目に出る形となった。ここでの失敗はレアルにとって非常にまずい。4月7日にはCLのチェルシー戦が控えており、そこにベンゼマが戻らなければバルセロナ戦の繰り返しになってしまう可能性はある。さすがにもう一度モドリッチを最前線に置くことはないといえるが、ベンゼマの代役であるマリアーノはバルセロナ戦では存在感が全くなかった。ルカ・ヨビッチも選択肢としてはあるが、ここまでは先発ゼロであり、アンチェロッティ監督からの信頼は薄そうだ。

CLではPSGを破るサプライズを披露するも、リーグ戦ではベンゼマを欠き苦しい状況に追い込まれているレアル。ベンゼマ復帰となればある程度の問題は解決されるが、復帰が難しければチェルシー級の相手と対等に戦うのは難しいだろう。アンチェロッティ監督は解決策を模索しているようだが、今後の采配に注目したい。

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