ビルドアップだけのDFとは呼ばせない エリック・ガルシアが習得しつつある高強度の守備

レアル戦では守備でも安定感のあったエリック・ガルシア photo/Getty images

レアル戦では守備でも見せてくれた

バルセロナは21日にアウェイでレアル・マドリードと対戦。今季のエル・クラシコはこれまで二度行われており、連敗と苦しい対戦成績だったが、三度目で4-0と大勝を収めた。相手はカリム・ベンゼマという大エースを欠くこともあってか攻守に安定感がなく、逆に攻守に安定感抜群だったバルセロナが圧倒するゲーム内容となった。特に最終ラインに入ったエリック・ガルシアは見違えるパフォーマンスを披露した。

バルセロナの下部組織で育ち、2018年から2021年までプレミアのマンチェスター・シティでプレイしていたガルシア。ルベン・ディアスが加入したシーズン最終年は出場機会を減らしたが、それ以前ではトップチームで何度もプレイしており、当時の指揮官であるジョゼップ・グアルディオラに「彼が15人欲しい」と言わしめるほどだ。

その中でガルシアは古巣であるバルセロナ復帰を希望。翌シーズンである今夏にフリーでバルセロナにやってきた。ビルドアップ能力の高い選手だが、肝心な守備の強度が低く、バルセロナでも批判の多くは守備であった。そのためかジェラール・ピケ、ロナウド・アラウホの牙城を崩せずここまでのリーグ戦はベンチが中心となっている。

それでも、アラウホが守備固めとして右サイドバックに入ったことでクラシコではピケと共にCBでコンビを組んだ。得意のビルドアップはさすがの貢献であり、81本のパスを出して成功率98%を記録。ロングパスも5本中5本を成功させている。パスの精度もそうだが、視野の広さも彼の武器であり、最終ラインからガルシアのパスで一気に相手のディフェンスラインの裏を狙うことができる。ピエール・エメリク・オバメヤン、フェラン・トーレスといった頻繁に裏抜けを狙う選手がいることも影響しているが、レアル戦では何度も彼から上質なボールが供給された。

さらにレアル戦では守備が光っていた。対人の際は読みが鋭く、4度のインターセプトを成功させている。守備が軽いとされていたが、その姿は見られなかった。バルセロナで対人性能が高いといえばこの試合右SBだったアラウホであるが、レアル戦だけでいえばガルシアもアラウホ級の守備を見せていた。

ベンゼマ不在ということもあったが、攻守で大きく貢献したガルシア。レアル相手に守備で善戦したのは大きな収穫であり、今後はアラウホと共にバルセロナを支える頼れる守備者となりそうだ(データは『SofaScore』より)。

記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.292 最強ボランチは誰だ

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:コラム

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ