シティ戦でも最終ラインの番人として戦っていた
プレミアで首位を走るマンチェスター・シティ対首位との差を縮めたい2位チェルシーの一戦が行われ、1-0でシティが何とか勝利を収めている。
結果だけを見れば接戦だったことが分かるのだが、スタッツではシティが大きくリードしている。ボール支配率は56%とリードしており、枠内シュートもチェルシーが1本に対し、シティは6本と多い。イエローカードも2枚とチェルシー側は苦労しており、実際にケビン・デ・ブライネのスーパーゴールがなければ引き分けとなっていた可能性が高い。
逆にいえばシティはこれだけスタッツでリードしながら結局は1点しか奪えていない。そうなってしまった要因のひとつは、チェルシーのディフェンスリーダーであるチアゴ・シウバに何度もチャンスを防がれてしまったことだ。
パリ・サンジェルマンからやってきたブラジル代表のシウバ。37歳という年齢もありスピード勝負では弱みを見せることになるが、判断力はピカイチだ。実際にシティ戦でも3回のインターセプトを成功させており、80分のシーンではフィル・フォーデンのパスをカットし、カウンターを未然に防いでいる。この場面はチェルシー側が前のめりになっており、自陣には広大なスペースがあったのだが、シウバのカバーリングで事なきを得ている。しかも、ノーファウルでボールを回収しており、判断力の高さが際立つシーンとなった。
英『Squawka』ではチェルシーやアーセナルで活躍したウィリアム・ギャラス氏がプレミアで最も優れている守備者としてシティのルベン・ディアスとシウバの名前を挙げている。
ギャラス氏はシウバの積み上げてきた経験とディフェンスリーダーとしての能力を高く評価しており、アントニオ・リュディガーとアンドレアス・クリステンセンをワールドクラスの選手に引き上げたのはシウバだと主張している。実際にシウバが3バックの中央に入ることで若手のマラング・サールもシティ戦で素晴らしいパフォーマンスを披露しており、DFをコントロールできるシウバやディアスが評価されるのはそのためだろう。
30代後半で適応が難しいとされるプレミアに挑戦し、ここまで成功を収めているシウバ。プレミアでは前述したディアスやリヴァプールのフィルジル・ファン・ダイクがトップクラスだといわれているが、シウバも彼らに割って入れる存在であることは間違いないだろう(データは『WhoScored.com』より)。