もっと“古都のネイマール”を評価すべし ゴール前で異様に落ち着いている奥川雅也という男

アルミニア・ビーレフェルトの得点源となる奥川 photo/Getty Images

チームトップの5得点を挙げる確かな得点力

ブンデスリーガ16試合で5得点1アシスト。これは中堅クラブでプレイする選手としては十分すぎる数字なのだが、アルミニア・ビーレフェルトでプレイする25歳の日本人MF奥川雅也の名前をどれだけの人が知っているだろうか。

奥川は左右両足を器用に使うテクニックに加え、ゴール前で不思議なほど落ち着いている特別な魅力を持ったプレイヤーだ。A代表でのプレイ歴がないために知名度はあまり高くないかもしれないが、本来はもっと評価されるべき選手だろう。

移籍情報サイト『Transfermarkt』も、今季の大ヒット新戦力として奥川の名前を挙げている。奥川は昨季もアルミニア・ビーレフェルトでプレイしていたため、新戦力と呼ぶべきかは微妙なところだ。ただ、昨季はザルツブルクからのレンタルでアルミニア・ビーレフェルトに加わっており、それが今夏に完全移籍へと切り替わった。そこから夏の新戦力とカウントされているようだ。
他に同サイトではヘルタ・ベルリンで同じく5得点を挙げる新戦力FWステファン・ヨヴェティッチ、マルコ・リヒターらが称賛されているが、チームトップの5得点を挙げている奥川もアルミニア・ビーレフェルトにとっての救世主だ。

何より興味深いのは、データサイト『WhoScored』のデータでは今季の奥川のシュート本数は11本と記録されている。それで5得点とは驚異の精度だ。

チームメイトのFWファビアン・クロス(37本)、パトリック・ヴィマー(28本)、MFアレッサンドロ・シェプフ(23本)らと比較するとかなり少ないのだが、それでも奥川がチーム得点王だ。

左足で冷静に流し込んでみたり、GKのタイミングを外すチップシュートを打ってみたり、体を投げ出してダイレクトボレーでネットを揺らしてみたりと、奥川の得点センスは見事だ。日本代表で主力になっても不思議はない。

京都サンガ出身であることもあって「古都のネイマール」との呼び名もある奥川だが、もっと評価されるべき選手なのは間違いない。ザルツブルクでは南野拓実、アルミニア・ビーレフェルトでは昨季も堂安律とチームメイトになるなど、どこか話題を2人に奪われていたところはある。

しかし堂安が抜けた今季はアルミニア・ビーレフェルトで主役となっており、ブンデスリーガでも1、2を争う日本人アタッカーと言っていい。目指すは二桁得点だが、奥川はどこまで成長するのか。

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