自慢のビルドアップも横パスばかりでは…… 昨季1番手だったシティ左SBに立ちはだかる大きな壁

ジンチェンコがポジションを確立したいのであればもう一段階成長する必要がある photo/Getty Images

乗り越える必要がある

昨季はジョアン・カンセロからポジションを奪い返し、マンチェスター・シティの左サイドバックで不動の地位を築いていたオレクサンドル・ジンチェンコだが、今季はそのような安定した姿は見られていない。

今季はそのカンセロが左SBで絶好調だったということもあり、出場機会が減っていたジンチェンコ。それでも、シーズンが進むにつれてピッチに立つ回数が多くなっており、CLでのライプツィヒ戦から続いて5試合連続でのスタメン起用となっている。

カイル・ウォーカーのベンチ外が続いている影響だといえるが、ウクライナ代表MFとしてはポジションを奪い返すチャンスだ。

しかし、昨季ほどの安定感はないか。自慢のビルドアップも無難な横パスが多く、左サイドからチャンスが生まれず、攻撃が停滞してしまっている。左足から放たれる高精度のクロスを一つの武器として持っているが、シティはあいにく前線に高さのある選手がおらず、活きるシーンは少ない。カンセロであればシュートやクロスと何度も違いを生み出せるだけに、ジンチェンコとしては苦しい。

また、今季は守備でも弱さを露呈してしまっている。昨季は問題なかったが、守備の判断が遅く、ポジショニングも気になる。昨季は左サイドにディフェンスリーダーであるルベン・ディアスがいたため表出しなかったが、今季は守備を強みとしないアイメリック・ラポルトが入ることで一気に左サイドが守備の穴となってしまった。これはカンセロが左に入る際も起きている現象であり、一概にジンチェンコが悪いとはいえないが、主力が複数人不在のレスターから3失点を喫しているようでは今後苦しくなる。

ジンチェンコにとっては良い話ではないかも知れないが、シティは現在ボローニャのアーロン・ヒッキーに興味を示している。冬の移籍市場で動く可能性は低いと考えられるが、今のパフォーマンスが続いてしまえば、ジンチェンコの立場は危うくなるか。

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