シュートの大半はペナルティエリア
今の日本代表はスコットランドで得点王候補にも挙げられるストライカーの能力を100%引き出せるだろうか。
現在スコットランド国内リーグでは得点ランク1位がマザーウェルFWトニー・ワットで9得点、それをセルティック所属の日本代表FW古橋亨梧、アバディーンFWクリスティアン・ラミレスが8得点で追いかけている。
中でも古橋の評価は高い。得点数ではワットが1点上回っているものの、地元紙『Daily Record』は古橋が20得点に到達しなかったら驚きとまで伝えている。
評価の理由は得点ペースだ。ワットが1426分間プレイして35本のシュートを打っているのに対し、古橋は933分間のプレイタイムだ。古橋のシュート数は29本となっているため、3.6本に1点のペースでネットを揺らしていることになる。得点ペースも116.6分に1点と、精度とペースは見事だ。
過去7シーズンを振り返ると、スコットランド国内リーグでは20点ほど奪えば得点王のチャンスが出てくることが分かっている。昨季セルティックの一員として得点王に輝いた現クリスタル・パレスFWオドソンヌ・エドゥアールは18得点、2018-19シーズンの得点王に輝いた現レンジャーズFWアルフレッド・モレロも18得点で得点王のタイトルを手にしている。
同メディアが指摘するように、今の古橋ならば20点近くまで数字を伸ばすことも可能なはず。得点王は現実的な目標だ。
問題は、そんな古橋の得点力を代表で引き出せるかどうか。古橋はリーグ戦で29本シュートを打っているが、そのうち22本はペナルティエリア内で放ったものとなっている。エリア外からどんどんシュートを打つタイプではなく、味方のチャンスメイクがあってこそ活きるタイプのゴールゲッターと言える。
セルティックの場合は国内リーグである程度の力があるため、容易にボールを支配できる。そこからMFトム・ロギッチらが古橋へチャンスボールをくれるのだが、日本代表でもそうしたボールがなければ古橋の能力を100%引き出すことは出来ないだろう。
日本代表ならば久保建英や鎌田大地らがチャンスメイカーになれるが、古橋の得点力は代表でも発揮されるのか。スコットランド得点王候補の得点力を何とか引き出したいところで、古橋は現代表でもエースになれる実力者だ(数字は『WhoScored』より)。