昨季までミランにいた男がインテルで“中盤の支配者”に 存在感増す超絶テクニシャン

今夏ミランから加入したチャルハノール photo/Getty Images

今夏ミランから加入したトルコ代表MF

現地時間4日に行われたセリエA第16節のASローマ戦(3-0)にも勝利し、先月下旬から続く公式戦での連勝を「5」に伸ばしたインテル。このローマ戦では90分間を通してゲームを支配し、同クラブは完勝と言える内容で白星を挙げることとなった。時間を経るごとにチームの練度は上がっている印象で、シモーネ・インザーギ監督率いる現在のネッラズーリはエンジン全開だ。

そのなかでも、ここ最近フォームを上げてきているのがトルコ代表MFハカン・チャルハノールだ。夏に宿敵・ACミランから加入した同選手は、今やインテルの中盤に必要不可欠なピースとなっている。類まれなるキック精度を活かし、パスの供給源やプレイスキッカーとしての存在感は増すばかり。今回のローマ戦でもコーナーキックから貴重な先制点を挙げており、その評価はうなぎ登りと言っていい。

加えて、そんなチャルハノールに関して興味深いのがMFマルセロ・ブロゾビッチとの関係性だ。ピッチ上のさまざまな場所に顔を出してチームのボール運びを助け、インテルの中盤におけるキーマンとなっているブロゾビッチ。当然、彼に対してはマークも厳しくなるが、相手の人員が彼に集中すればチャルハノールはそれによって生じたスペースに入り込み攻撃のタクトを振るう。ブロゾビッチが封じられればチャルハノールを使い、チャルハノールが封じられれば通常通りブロゾビッチがボールを前進させる。このトルコ代表MFが加入したことで、現在のインテルは二段構えの攻撃の形が成立させることが可能となっている。
これは昨季までMFクリスティアン・エリクセンが実行していたようなプレイ。だが、彼の場合はどちらかといえばブロゾビッチの横で組み立てをサポートするものだった。一方で、チャルハノールのそれは基本的にブロゾビッチと縦関係のポジションを取ることが多い。もちろんポジションを下げてサポートに入ることもあるが、基本的に狙っているのは前のスペース。彼がそこに入り込むことで、インテルは攻撃時に前線の人数を減らすことなくゴールへと迫ることができる。今夏ロメル・ルカクという大砲を失ったものの、インテルが昨季と変わらぬ得点数を稼ぐことができているのは、このチャルハノールの動きが生きている部分が大きいと言える。

好調・インテルを支える今季新加入の超絶テクニシャン。はたして、チャルハノールがフィットしてきたネッラズーリはこの連勝をどこまで伸ばすことができるのか。昨季セリエA王者の快進撃はまだまだ続く予感だ。

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