なぜ“イングランド黄金世代”は成功できなかった? 悔やまれる50年以上の無冠時代

豪華な面子が揃っていた当時のイングランド photo/Getty Images

当時はライバル意識が強すぎた

ホームのウェンブリーで迎えたEURO2020決勝。イングランド代表にとっては久々のメジャータイトル獲得への大チャンスだったが、最終的にはイタリア代表に敗れてしまった。

イングランドは強豪国の1つではあるものの、メジャータイトルは自国開催だった1966年のワールドカップしか制したことがない。今夏のEUROは55年ぶりにタイトルを獲得するチャンスだったわけだ。

ただ、この長期にわたる無冠時代はもう少し早くに終わらせることが出来たのかもしれない。
今も悔やまれるのは、デイビッド・ベッカム、スティーブン・ジェラード、マイケル・オーウェン、ポール・スコールズ、フランク・ランパード、ジョン・テリー、リオ・ファーディナンドら錚々たる面子が揃っていた2000年代にタイトルを獲得できなかったことだ。

彼らは黄金世代と呼ばれていたのだが、今一つチームとしてまとまることが出来なかった。英『GIVE ME SPORT』は、選手たちがクラブでのライバル関係を忘れて一致団結できていれば、2000年代に1つはタイトルを獲得できたのではないかと嘆く。

当時の雰囲気についてファーディナンドは、「プレミアリーグでスティービーと争っている時は、代表でも彼の周りには座りたくなかった。リヴァプールがどうなっているのか、そう言った話を聞きたくなかったからね」と振り返っている。選手間でのコミュニケーションは不十分だったのかもしれない。

今の代表チームも新・黄金世代と言われているが、昔に比べると強烈なライバル意識はないように見える。才能を揃えるだけではEUROやワールドカップを制覇できない。今の若手たちは一致団結できるのか。強豪国であり続けるためにも、そろそろタイトルを獲得しておきたい。

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