アメリカの才能はいずれバイエルンに戻れるか 武者修行に出た若き守備者の運命は

ホッフェンハイムで成長するリチャーズ photo/Getty Images

今季はホッフェンハイムにレンタル

近年多くの若手が頭角を現しているアメリカ産プレイヤーの中でも、DFとして特に注目されているヤングスターといえばクリス・リチャーズ(21)だ。2017年夏にバイエルン・ミュンヘンに引き抜かれ、現在は昨季途中から武者修行へと向かっているホッフェンハイムで活躍を続ける同選手。前線や中盤に比べて最終ラインのタレントはそこまで多くないアメリカ代表にとって、彼は貴重な欧州4大リーグクラブ所属のセンターバック。未来のディフェンスリーダーとして、その肩にかかる期待は大きい。

しかし、リチャーズは今後バイエルンへと舞い戻り、順調なキャリアを歩んでいくことができるのだろうか。現在の同クラブではニクラス・ズーレ(26)やダヨ・ウパメカノ(23)、タンギー・クアッシ(19)といった若いCBが躍動中。リチャーズのレンタル期間中に、最終ラインの世代交代は着々と進んでしまった印象も強い。ホッフェンハイムではまずまず良いペースで成長を見せているアメリカ代表DFだが、バイエルンに戻って大活躍というシナリオは現時点で少し考えづらくなってしまったと言っていいだろう。

とはいえ、リチャーズ本人は諦めていない。ブンデスリーガ公式サイトによると、同選手はこの先も達成すべき目標はバイエルンでのレギュラー獲得と設定しているようだ。自身の状況が芳しくないことを理解しつつも、リチャーズはこれについて次のように語る。
「ホッフェンハイムは最高の環境を用意してくれているけど、いずれバイエルンに戻りたいという気持ちは今も変わらないよ。そこへ戻るためには、どんなことも完璧にこなせるようにならないとね。たとえその選手が15歳や16歳、19歳でも関係ない。トップチームでプレイするなら、バイエルンはどんな選手にも完璧を求めるんだ。僕が伸ばすべきは、まず些細なミスを犯さないことだね。常に集中していないと、彼らは認めてくれないと思う」

「だけど、その一方では自信もあるんだ。さっき言った部分を改善できれば、僕もズーレやパヴァール、リュカ(・エルナンデス)、ウパメカノといった選手と勝負できると思う。彼らをスタメンから押し出せない理由はないと考えているよ。もちろん、言うのは簡単だ。まずはやるべきことをやって、彼らに追いつきたいね。今取り組んでいることを継続できれば、必ずチャンスが来るはずさ」(ブンデスリーガ公式サイトより)

現状で取り組んでいることの改善に努めれば、いずれはバイエルンでもスタメンを勝ち取れるはずと強気のリチャーズ。しかし、この発言もきっとホッフェハイムでの成長を実感できているからこそ出たものなのだろう。データサイト『SofaScore』によると、今季の同選手はここまで地上戦勝率で驚異の71.43%というハイレベルな数字をマークしている。自身のプレイがブンデスでも十分に通用するという手応えは掴んでいるはずだ。

今季ホッフェンハイムで着実に経験を積み、近い将来はバイエルンで定位置をガッチリと掴みたいリチャーズ。はたして、この若者はいずれドイツの絶対王者に欠かせぬ戦力となれるのか。アメリカ代表の未来のためにも、リチャーズの覚醒には期待したいところだが。

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