2021-22シーズン、第11節終了時点でリーグ・アンのタイトルレースを牽引しているのはパリ・サンジェルマン。昨今、各方面から夏の移籍市場で加入したFWリオネル・メッシの起用法などで揺れる同クラブだが、ここまではしっかりとリーグで首位をキープしている。昨季こそリールに優勝を譲ったが、結局は今季もPSGがフランスの頂点に返り咲くのだろうか。
しかし、そう簡単に事は運ばないかもしれない。今季のリーグ・アンでは、そのPSGを追う勢力も非常に興味深い。なかでも注目したいのは、現時点で3位につけるニースだ。同クラブがここまでにリーグ戦で喫している失点数はわずか「8」。1試合平均失点数は「0.73」という堅守を武器に、虎視眈々とトップの座を窺っているのだ。
そんな堅牢なニースの守備を支える要となっているのが、センターバックの2名だ。名前を聞けば、欧州サッカーファンならピンと来る人も多いだろう。今季同クラブの最終ラインを支えているのは、かつてバイエルン・ミュンヘンで活躍したダンテ(38)と昨季までバルセロナに所属していたジャン・クレール・トディボ(21)。年齢差実に“17歳”のCBコンビは、それぞれ自身の特徴を活かしてニースの最終ラインを支配。躍進のキーマンとなっている。
なかでも、興味深いのはダンテの活躍だろう。今では38歳になった同選手だが、そのパフォーマンスはまさに“主役級”。データサイト『SofaScore』によると、クリア数ではトディボと並んでチームトップタイとなる32回を記録し、地上戦勝率(64.52%)や空中戦勝率(65.38%)でも印象的な数値をマーク。さらには、パス成功率も90.67%を叩き出すなど、攻守にわたってハイレベルな活躍を披露している。あと数年で40歳を迎えるベテランと侮ることなかれ。ダンテは今なおリーグ・アン屈指の守備者なのだ。
それでいて、相方のトディボも空中戦勝率(69.7%)では今季20回以上の勝利数を記録した選手の中でリーグ2位となるスタッツを記録している。ともに現在はビッグクラブから離れてプレイすることとなっている2人だが、彼らはニースでその能力を遺憾なく発揮している。はたして、ダンテとトディボの形成する屈強な最終ラインで今季のニースはどこまでその順位を押し上げることができるのか。“17歳差”のCBコンビを擁してPSG追撃を図るフランスの堅守軍団には注目だ。